最愛の担保(ヒト)

「娘を寄越せ。それが借金の担保だ」

「ど、どうぞ!」

 父は取り立てにきた男に私を差し出した。自分の娘をあっさりと犠牲にする姿が、いっそのこと清々しい。奥に逃げた父を置いて、私たちは家を出た。

少し歩いた後、突然背中に温もりが宿った。

 

「迎えに来るの、遅くなってすまねぇな」

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