過ぎたるは及ばざるがごとし

過ぎたるはおよばざるがごとし。

ひとを猿呼ばわりした国会議員にも当てはまる諺。

が、これは身内の話。

母がまだ、シルバーカーで何とか歩けた頃の話。

たまにやって来た妹が、散歩しようと言いだし、母にシルバーカーを押させ、

近所を散歩した。ある家の玄関に、精巧にに出来た犬の置物があった。

社交辞令の積もりだ、妹は家の主人に話しかけた。「可愛いですね」くらいなら良かったのだが、

妹は話を発展させようとして、複雑な顔をしている主人を見て、私は必死に止めさせた。

その家には、その置物と同種の犬を飼っていたのだが、ある日、亡くなったらしく玄関から姿を消した。

暫くしてから、玄関の犬小屋があった、同じ場所に置物が登場した。

私はペットを飼ったことはないが、家族だったペットの代わりという心情は理解出来る。

後で妹に事情を話し説諭したが、複雑な顔をしていた。親切な積もりが、傷つけてしまったのである。

10年位たった今も、その置物はある。その家の番犬の代わりを続けている。

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