第5話 説教後のカレーと求人情報
警備員室で真面目に働けと3 0 分 ぐらい説教される間,テーブルに置かれたカレー ライスのことばかりが頭にあった。結局,最後まで手を出せずにいたが,帰りしなに老いた女性店員がカレーライスのプラスチック容器を紙袋に入れて持たせてくれた。
公衆トイレを探しあて,駆けこむなり,カレーライスを飲むように食べながら,また眼鏡のレンズを曇らせた。スプーンを持ったまま頰を拭おうとして,膝に置いた雑誌にカレーが落ちた。
黄金色にふやけた一角に「求人情報」という文字が躍っている。
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