第26話
モートはマンホールの中へと梯子を降りた。
どうやら、血の雨にあたると、人はゾンビになるのだろうとモートは梯子を降りながら考えていた。血の雨が降らなくなると、ゾンビはでてこなくなる。つまり、逆なのだ。ゾンビがでると血の雨が降るのではなく。血の雨がゾンビを増やすのだ。
なので、恐らくはここホワイトシティの下水が溜まる地下には、多くのゾンビの群れがいるはずだ。そこで、モートは本で読んだことを思い出した。占いなどでは血の雨が降る夢は生命力、再生といった意味をしているし、プラスなことになるのだ。だが、戦争などでは血の雨を降らすという言葉もあって、多くの血が流れること。つまりマイナスのことも指す。
モートは更に考えた。
何故、血の雨で人が死人になるのだろう?
現状では血の雨はマイナスなことになっているのだ。
どちらにしても、死……つまり、血の雨は生命が関連しているようだ……。
ならば、この血の雨を降らす原因を無くせば……。人はゾンビとならないのだろう。そこまで梯子を降りながら考えていたモートは、やっと真っ暗な下水道の地面に足を着けていた。
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