第41話 決意
「いつまでそんな風にしてるんですか!!」
「……」
ロープは、今まで聞いたことが無いような怒号で、私を叱った。
「何もしなければいいと、そうすれば全て解決すると……そう思っているんですか!?」
「……」
「いいですか! こうしている間にも、人々がロードモンスターに襲われているんですよ!? 貴方は無実の人々の命が奪われていいのですか!? 仲間を増やす名目で殺人を行っているロードモンスターを許していいんですか!?」
「そ、それは……」
許していいわけがない、許してはいけない。
そんなこと、わかっている、わかっているのに……。
「……こんなところでただウジウジしてるだけのアニマさんなんて……勇者様なんかじゃない」
「……」
勇者様じゃ……ない。
事実を言われた私は……黙ってしまった。
「……先に行ってます、絶対に来てくださいね……勇者様」
ロープはそう言って、外へと駆けて行った。
私は、なんのために戦ってきた?
報酬のため? カロン達を見返すため? ……そうじゃない。
みんなを守りたいから……私は戦った。
カロン達みたいに、報酬や快楽のためじゃない。
……ロードモンスターは、確かに殺人を行っている。
でも……それを殺す我々も……結局のところ、ロードモンスターたちと変わらないんじゃないか? 私はそう考えていた。
……でも、今こうしている間にも、無実の人々が殺されている……そんなの……許せない。
それを止めることができるのは……。
『……ねぇ、ロープにとって、私は勇者様?』
『……はい、貴方は私の勇者様ですよ、アニマさん』
……勇者である、私だけだ!
「こうしちゃいられない……早く行かなきゃ!」
私は外に出て、カードを翳した。
『ジョブチェンジ! 弓!』
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