第28話 ダンジョンの最奥

「いやーほんとに! ルリルリ! ほんとにすごいね!」

「あ、ありがとう……」


 元に戻った私たちは、「魔力が溜まっているところ」に向かって歩き出した。


「ねぇ、魔力が溜まっているところって言っても、どんな感じになってるの?」

「魔力……溜まっているところ……簡単に……言えば……大きい……魔石」

「大きい魔石?」

「うん……それ……壊せば……ダンジョン……消える……」


 キセノンが私の疑問に答えてくれた。

 なるほど……大体分かった気がする。


「ほら、あそこだ」


 ゴルドが向こうに向かって指を差した。

 指を差した先……一言で言うならば、巨大な黒い宝石だった。


「どうやって壊すの?」

「簡単や、思いっきり力を込めてアレに攻撃をするんや」

「えぇ? そんな単純なやり方で行けるの?」

「デカいのはこけおどしや、魔力が溜まってるだけでめちゃくちゃ脆いで、試しに生身で殴ってみ」

「う、うん……」


 私はラピスの言う通り、魔石に向かって歩き出した。

 思いっきり力を……えい!

 ……って。


「……ええええええ!?」


 魔石が……粉々に砕け散った……。

 こんな簡単に壊れるの!?


「よし! これで探索終了だな!」


 ゴルドが手を叩いてそう宣言する。

 こんなあっさり終了!? まぁ……いいけど。


「はぁ~バリ疲れた~」

「ほんま、みんなお疲れ様やな」

「疲れた……」


 みんなその場に腰を掛けた。

 わ、私も……疲れた。

 私もみんなの元に集まり、腰を掛けた。

 そしてしばらく余韻に浸った。


「どや? 瑠璃はん、ウチらのパーティに入らんか?」


 余韻に浸っていると、ラピスがそう声を掛けた。


「ぱ、パーティ? なんか祝い事?」

「そっちやない! ウチらのチームに入らんかってことや!」

「チーム?」


 みんなのチームに? 私が?

 大丈夫かなぁ……ダンジョンのこと、まだよくわかってないんだけど……

 ダンジョン……そういえば!


「ねぇリン、そういえば、ダンジョンはこの後どうなるの?」

「あぁ、そういえば言ってなかったね、多分……もうじき地上に出るよ」

「もうじき?」


 それってどういうことなんだろう?

 そんなことを考えていると、突然、天井が眩しく光り始めた。


「光が……これは?」

「安心して、すぐに終わるから」

「すぐに?」


 すぐにってどういう事!?


「うん! ねぇルリルリ! 地上に戻ったら、日本について教えて!」

「え、ちょっと……」


 気が付いた時には、一面が光に覆われていた。

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