第14話 痛みと再会

「はぁ……はぁ……痛い……」


 どのくらい歩いたのだろうか? 辺りは彼らが倒していったのか、怪物の気配はない。

 しかし、肝心の彼らはまだ見当たらない。


「まだまだ……あと少し……」


 私は歩いた、目線の先がぼやけて来たけど。

 私は歩いた、片足が限界を迎えたのか引き摺っているけど。

 私は歩いた、怪我が痛くて仕方が無いけど。


「大丈夫……私はできる……歩ける……痛くない……大丈夫……」


 私は自己暗示を掛けつつ歩き続けた。

 そして、気が付くと……見覚えのある4色の色が見えてくる。

 あれは……。


「や、やっと見つけた……」


 私は安心したのか、脚の力が抜けていった。

 それに気が付いたのか、カラフルな色がこちらに近づいてくる。


「ちょ、ちょっと! ルリルリ!?」


 ピンク色の……恐らくリンさんが、地面に落ちそうになった私を抑えた。


「馬鹿! バリ馬鹿だよルリルリ!! なんであそこにいなかったの!!」

「ほんま、アホちゃうか!?」

「小娘め……無茶しやがって……」

「でも……よく……ここまで……来たね」


 視界がぼやけているけど、恐らく他の3人もいる。


「みんな……これ、忘れ物……」


 私は回復薬の入った瓶をみんなに向けて差し出した。


「あ、これ……ウチが忘れてきたやつや! わざわざ届けに来たんか!?」

「うん……これが無いと……危ないかなって……はぁ……はぁ……」

「危ないのはアンタや! ボロボロやないかい!」


 ラピスさんは、驚愕の声と同時に怒ったような声を上げた。


「じゃ、じゃあ……私……戻るから……」

「戻ったら返ってバリ危険! 一緒に着いて来て!」

「え、でも……」

「あ、その前に持ってきたそれ飲んで!」

「これは……皆の……」


 皆のものだからいただくのはちょっと躊躇する。

 そんな風な言葉を言いたかったのだが……。


「いいから飲め!! 怪我人抱えて探索したら、ワシらまで死ぬかもしれないんだぞ!!」

「あ、はい……」


 ゴルドさんに説得され、私は回復薬を飲んだ。

 飲んだって言うより、リンさんに飲まされたって言った方が正しいかな?

 正直味は……美味しくない、薬だから当たり前といえば当たり前だけど。

 よくよく考えたら、外傷に飲み薬って効くの? なんか雰囲気に流されて飲まされたけど……。

 そんな事を考えていると……疲労が回復して行っているような感じがした。


「あれ? なんか身体が……」


 それに痛みも消えて行っている。

 ……これ、危ない類の薬じゃないよね?


「良かったー……バリ元気になっていっているみたいだね!」

「……そうですか?」

「うん! 傷口もバリ無くなっていってる!」

「あ、本当だ……」


 す、凄い……飲み薬だよね? どんな薬なんだこれ?


「それはウチが製薬したんや、凄いやろ?」

「へ、へぇー……」


 凄いな……免許持ってるのかな?

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