21
シスイside
さてさて、車に乗り込んだウンヌンがあった次の日の昼休み。今日も今日とて生徒会の仕事をこなそうと、雨が窓に叩きつけられる音をBGMにして書類へとペンを走らせていた。
そんな時、珈夜さんがツカツカと私の方へと歩いてきた──今は昼休みなのに生徒会メンバー全員が生徒会室に来ていたのは何か理由があるのだろうか──。
「シスイ様! 生徒会のメンバーを増やしましょう!」
バァン! と珈夜さんは生徒会長の机を両手で叩き発言した。そしてその言葉に同調するのは紅蓮さんと緑さん。
「……急な話ですね。どうされました?」
「特に崇高な理由は無いのですが、一年生を一人くらい入れても良いのではないかと私は思ったのです!」
「……? そう、ですか?」
「そうだな。俺も珈夜の意見に賛成だ。次代に引き継ぐ時に一年生がいれば楽になるだろうし。」
「あ~なるほど~それは良いねぇ~」
ま、満場一致ですね。となると、どうしたものか……。私はこれからの動き方を考える。
「……分かりました。では私が暇を見つけて探してみます。」
「私が探しておきましょうか? 提案したのは私ですし……」
申し訳なさそうにシュンと顔を曇らせる珈夜さん。ふふ、そんなに気負うことないのに。私はそんな珈夜さんの手に自分の手を乗せて『安心して』と言外に伝える。
「いえ、生徒会長である私自らが動くべきですから大丈夫です。珈夜さん、提案してくださりありがとうございます。」
「そう、ですか。分かりました。」
言葉も付けるが、それでもまだ完全には晴れないらしい。了承はしたが納得はしていなさそう。
「では善は急げと言いますし、早速今行ってきますね。」
「私も付いていきますっ!」
「ありがとうございます。では行きましょうか。」
「はいっ!」
私は珈夜さんと共に生徒会室を出ることにした。顔には笑顔を貼り付けて。
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