第43話

放課後、久しぶりに生徒会室にやって来た。

いつもどうり、エリスなどのメンバーが集まっている。


「では、ルッチが襲われてしまった件だが、これは意図的に含まれた可能性がある。」


「それで、ルッチちゃんはまた襲われてしまうの!?」


ミルルさんにの胸に、顔を引き寄せられギュっと抱きしめられた。


「その可能性はある。ダールの血液成分から魔法反応があった。誰かに仕組まれてやった可能性がある。生徒会は、この事件を担当し、犯人を捕まえることにする。デビス、魔法反応と成分の分析をお前に任す。」


「はい、わかりました。」


「ニジャは、情報収集を行え。」


「わ、わかったよ。」


生徒会長は、次々に指示を行い、生徒会の人たちは動き出した。

事件などは、騎士や自警団などの治安維持をする人たちが行う事なのだが、生徒会もこれを一部になっているようで、こうした事件などにも首を突っ込むことが出来るらしい。


エリスの顔は平然を装っているが、内心はドキドキしているのか小刻みに手が震えているようにも思える。


そうみえるのは、エリスに対し嫌悪感を抱いているからそう見えるのかもしれない。

まあ、エリスは俺に対し悪口などを言ってきたり、イジメてきたりはあるが、さすがにそこまではしないだろうしな...


「じゃあ、私も情報を集めてきますね」


「ああ、よろしく頼む。」


エリスも、生徒会室から出てどこかに行った。


「じゃあ、私もデビスのお手伝いでもしようかな」


「ミルルさんも何か出来るんですか?」


「あら、私は何も出来ないって思ってた?それは見当違いだよルッチちゃん。私は魔法の研究をしているの。だから、魔法の分析とかなら私は得意なのよ。」


「へえ~」


ミルルさんは、エナさんと同じタイプなんだろう。

魔法を研究していると言う部分に対しては。


「あ、これは私の過小評価のお仕置き」


「うが」



胸の谷間に挟まれ、数秒間ぎゅっとされ、窒息死するかと思ったが、俺も元男中々いいものであった。


「じゃあ、ルッチだが君には事件の事を更に教えて欲しい。」


「え...ああ、わかりました。」


特に俺が出来ることが見つからない。

被害者の俺には、状況の説明をすることしかできなかった。


生徒会長には、ダールに最初に合った時の状況から、襲われる寸前までの状況を話した。


「うん、私が掴んだ情報と間違えはないな。」


「え?」


「ああ、私はこの国の次期王子であるからな、色々な情報は耳に入るんだよ」


この、生徒会長の腹の内が計り知れないな。


と言う事で、生徒会が全力を挙げて、ダールを操った犯人を見つける為に動くことになった。


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