第120話 エピローグ(16)
ホワイトエンジェルの花が満開になるのは、一年先。これから一年の間に私たちは一体どんな想い出を作るのだろう。
今はまだ想像もつかない未来を思って、私がそっと微笑んだとき、リンッと鈴の音が響き、ふわりとした優しい風が私の頬を撫でた。
“たくさん喜んで、時には怒って、悲しんで、精一杯楽しんで、そんなたくさんの感情を大切に大切に積み重ねて。僕はいつだってきみのそばで見守っているから。だから、どうか――幸せでいてね”
そんな声が聞こえたような気がして、風が走り去った方へ目をやる。しかし誰もいない。けれど、誰かがそこにいるような気がして、私は力強くうなずいた。
空は快晴。柔らかな陽光が私たちに降り注ぐ。春風に吹かれ、ホワイトエンジェルの花が、優しく風に揺れていた。
Fin
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます