効きません。要りません。知りません。3

「呼んできたわりに遅ぇんだよなあ。」


放課後体育館裏に来い的なことを言ってきたから来てやったのに随分と待たされている。

ホームルームが15時50分ってことは、、え!?もう30分は経ってるの!!?

別に銃でも鉄パイプでも持ってきていいから、待たせるとか来ないとかが一番ダメージ食らうんだよな。


「お、マジで来てんじゃん!ww」


「うわーバカだ!ww」


「こいつ?wめっちゃ弱そうじゃんw」


うわーー、ざっと5人来た。

5人ってw俺じゃなかったら本当に拷問だぞ!w


「遅っせぇなあ!いつまで待たせんdっ!?」


「あなたたち1人によってたかって何してるの!?!?」


「委員長!!?」


委員長がいる!?

おかしい。さっき『記憶操作』してたはずなのに…!?



まさか、この世界で呪文を無効するクリーチャーがいるってことなのか??



「ねえ!君大丈夫!?」


「どうして委員長がここに!?」


「さっき話したでしょ!?」


やっぱり覚えてるのかよ。


「心配で来てみたらこんなことになってて。」


どこまでもお節介なんだよな。何が嫌って、ここでド派手にやったとしたら『記憶操作』が使えないから記憶がずっと委員長に…!!


「お、委員長じゃんw」


「何?女に闘わせんの?ww」


「だっさw」


「ってかさっき一瞬威勢張ってなかった??w」


好きなことをがやがやと。流石に女に闘わせるなんてことは…。


「しよう!!」


おっと声に出してしまった。しようとか完全に変なやつじゃんww


「お前からだ!喰らえゴラ!!」


「きゃあ!!」


こいつら女にも手出すのかよ!

まあ、ね。もちろん。


「…あれ?痛く、ない??」


『超弱体化魔法』

相手の攻撃力、防御力、まあこの世界に存在する力全ての能力性能を下げた。

委員長には『超強化魔法』が使えない可能性があったからこいつらを弱体化させたってわけだ。

しっかり上手く行ったみたいで安心。


「ちょっとあんたたち、女子にまで手出すの!?」


もちろん反対も。効きますよ??


「許せない!!もっと自重しなさい!!」


スパーーーーン


「グハっ!!!」


強烈なビンタww

柄の悪い男は勢い良く飛ばされたが体育館の壁によって支えられた。

かなり鈍い音がする。


「え、私ってこんなに強かったんだ!」


やばい、変な勘違いさせちゃったかも。


「こいつ…!怪物だ!!」


「逃げるぞ!!」


「お前から逃げるわけじゃないからな!この雑魚が!!」


痛かっただろうなあw

そもそも女子のマジビンタって弱体化してなくても痛いだろwお大事にねw

柄の悪い奴らは全員いなくなった。


「へ、へぇ委員長ってこんなに強かったんだね。はは。」


「あなた!!」


「は、はひ!!?」


「助けが必要な時には助けて欲しいって言いなさい!!」


「え」


「今だって、私が来なかったらどうするつもりだったの!?」


地面軟化させて顔から下全部埋めてやろうとしてた。

そもそも君が来なかったら俺がするだけで…


「た、助けてくれてありがとう。」


は?なんで??


「今までずっと助けてもらえなくて…」


口が勝手に動いて、歯止めが効かない。

こんなこと思っていないはずなのに…


「うん。辛かったね。」


委員長が俺を胸に抱く。

俺の目からは涙が出てきた。


こんな、お節介なやつなのに。

面倒臭くて、こんなところにまでついてきて、、。

嫌いなはずなのに。


ああ、そうだな。


俺がもし自殺しようとせずに、ひたすらに生きていたら。


俺がもっと素直だったら


君のことを好きになれたのかもしれない。


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