9389号ファイル 高次元エネルギー生命体

このファイルは我々研究者だけではなくの協力もあり、今回の襲撃者である高次元エネルギー生命体であることが判明した。


今回、この生命体を相手にしたのは悪魔デビル、セブン、間中最中、紅葉茜、そして同種族の彼だが、主に相手したのは紅葉茜と彼の二人。

他三人はこの生命体による爆発によって戦闘不能に追い込まれたが、間中最中の能力によって軽傷程度に抑えられた。


本来なら、この報告書は紅葉茜にも話を聞く予定だったのだが、心身の疲労によって気絶してしまい、休養することとなっている。


彼と敵は同一の種族のようで、エネルギー生命体のようだ。しかし、エネルギー生命体と言う名称は既に使われていたため、高次元エネルギー生命体と呼称。


彼らは地球外生命体でどちらも目的があって訪れたとの事。彼の目的は聞く価値は無いと言われてしまったが、敵の目的は教えてくれた。

端的に言うなら、暇つぶしのためにわざわざ訪れたようだ。暇つぶしと言ってもそれぞれ差があるらしく、今回は積極的に殺し回るタイプだったらしい。


敵の狙いは彼だから絶対にここへ来ると言っていたが、彼を殺したところで暇つぶしが終わるわけでは無く、唯一の脅威である彼を倒せば心置きなく好きな事を楽しめるという考えのようだ。

この話が出てきたときは彼を差し出して、穏便に済ませようと言った案を支持する者が多数いたが、その案が採用されていたらどうなっていた事か。


我々としては彼に聞きたいことが他にもあったが、話を聞けるのはひとまずこれで終了となった。


次に聞くのは紅葉茜彼女になるだろう。まだ入院しているため数日後になるだろうが、一番長く接していたことから新たな事が聞けるかもしれない。


しかし、彼が最後に言ったことが私の頭から離れない。役に立たないだろうが、とりあえず書き残しておくとする。

彼はこう言った。

「珍しいね。わざわざ紙にも書いて記録するなんて。いや悪い意味で言ってるんじゃないよ。録音もしてるし、そこに監視カメラだってついてるからさ」

「でもいい事だ。複数の物に記録しておくのは、いくつかデータが消えたとしてもどれかは残るからね。え?まさかこれも書いてるの?徹底してるなぁ」


いきなりこんな事を言うものだから、何か意味があると思い書いたが書き終えてから見直すと、あまり深い意味は無いように見える。

恐らく、この部分は後に消されることになるだろう。


そういえば彼は小声でこうも言っていた。

「ここまで細かく書いてると記憶の問題が出てきそうだな。まあこの程度ならどうにでもなるかな」

こればかりはどういった意味なのかは分からない。

現時点での記録はこれまでとなる。続きは彼女が復帰してから——




紅葉茜彼女が退院したので、先日襲撃した犯人の事についてファイルを作成しようとしたら、似たようなものが既に保管されていた。

作成日は昨日の日付だが、作成した本人に聞いてもあいまいな返事ばかり。使われた部屋も分かっているので、カメラの録画とボイスレコーダーの録音を確認したが、どちらも無くなっていた。

正確にはこのファイルが作成された時間から、おそらく終了した時間までの記録が綺麗に無くなっている。

このような事は初めての事だが、襲撃によって設備が破壊され電気が通っていなかったという事だろう。


昨日記録された不明な文書は残されることとなった。

理由は主に二つあり、一つ目はあまりにもよくできている事。二つ目はこれを書いた者がこんな創作の能力が無い事。

この二つの点から調査する必要があると判断された。




そして彼女からの証言によると、あの日襲撃者はメインホールに突如出現し爆発を発生させ所かまわず破壊。

その場にいた間中最中、セブン、悪魔デビルと彼女を含めた四名は間中最中の能力によって難を逃れるも彼女以外の三人は戦闘不能に。

爆発を逃げかわし、合流した毛玉と呼ばれている小動物の能力ちからによって応戦が可能となり、最終的に襲撃者の胸に突然穴が開いたことで、そこから崩れるように消滅したと彼女は言う。

恐らくした可能性が高いが、不自然な点もまだ残っている。

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