第10話
【カゲオの両親・インタビュー配信】
配信のコメントが高速で流れる。
『ついに始まるな』
『この待っている瞬間がたまらん』
『なんせカゲオのママパパインタビューだ、おかしいに決まっている』
『ぞくぞくするぜ』
カゲオの父と母が登場して記者会見の席に座る。
『パパが緊張している?意外と普通じゃね?』
『どっちも顔がいいよな』
『カゲオも顔は悪くない、性格がクレイジーなだけだ』
『性格がクレイジー←ここ超重要』
『ママの顔が好みだ』
アナウンサーの男性が進行する。
「それではこれより、記者会見を開始します。お二人には自然体での回答をお願いしています」
『自然体=面白い事を言え』
『アナウンサーは分かっている』
『カゲオの秘密がわかるぜ』
1人の記者が手を上げてマイクを渡される。
「英雄法により、カゲオ君がダンジョンに閉じ込められています。その事についてどう思われますか?」
「う~ん、そうねえ。あの子は大丈夫よ。一見変な事をしているように、違うわね。変な事をする事もあるけど、大体の事は立て直すわ」
続いて父が発言する。
「はい、カゲオの心配はしていません。カゲオは国民の命を守ってくれるでしょう」
その瞬間に母がくすくすと笑いだした。
「ふふ、お父さん、ふふふふふ、自然体って言われてるのに、緊張して話し方がおかしいわ、ふふふふふふふふふふふふ」
『来た来た来た来たああああああああああああ』
『カゲオママ、ツボにはまる』
『笑いのツボが分からん』
『じわじわとやばさが伝わって来たぜ。少なくとも普通じゃない』
『図太いのか頭のねじが飛んでいるのか分からんがやばい事は分かる』
カゲオママがずっと笑い続け、カシャカシャとカメラのシャッターが切られる。
それでも止まらず笑い続けた。
「続いての質問をどうぞ」
「貰った2億円の使い道を教えて欲しいです」
「子作りです」
カゲオパパが言った瞬間にカゲオママが背中をぺちっと叩いた。
『即答した!』
『カゲオパパもやばい!カゲオパパもロックンロールすぎる!!』
「えーお子さんは、何人ほど、考えていますか?」
「まずは1人、子供は授かりものですから作ってみなければ分かりません」
『さっきから冷静に聞いているとマスコミの質問もおかしい』
『マスコミは基本ヤバイからな、いいぞ、もっとやれ!』
『マスコミの方がやばくね?』
『マスコミはそういうもんよ?』
『マスコミにまともを求める方がおかしいだろ』
『マスコミの基本は炎上商法だ。役に立ったり面白い情報を発信するのは難易度が高い。それよりも人の不安を煽ったり不祥事やスキャンダルを楽にぽんと出す。その方が手間がかからず数字を取れる』
「……インタビューの途中ですが、緊急速報です!英雄、カゲオ君が鳥居に入りました!右下の画面に配信を流しつつ記者会見を継続します」
『おおお、赤い鳥居が無数に続いている』
『2枠同時視聴確定だな』
『竹林の屋根と上に続く石畳か、絶対に何かあるぜ』
『死亡事故が拝めるか』
『人柱としての役目すら果たしてもらえればカゲオがどうなってもいい』
コメントを書き込む者もヤバイ奴だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。