「今日の天気はダイヤモンド」上映会

クロノヒョウ

プロローグ



「ねえヒョウ兄ちゃん、これどんな映画なの?」


 突然、とある街の広場にやって来た大きな玉ねぎのような形をした仮設テント。


 何やらここで無料の上映会が行われるということで、テントの中はたくさんの人たちで賑わっていた。


「俺だって知らないよ。でもなんか楽しそうだろ? 『今日の天気はダイヤモンド』ってさ」


「うん! ボク映画を観に来るのも初めてだからドキドキするよ」


「俺だって初めてだよ」


「えへ、楽しみだねヒョウ兄ちゃん」


 そう言いながら長椅子に座って足をバタバタとさせている幼い男の子。


「映画が始まったら静かにしろよクロノ」


「うん、わかってるよ。ママにもそう言われたもん」


「ちょっと俺にもそのポップコーンくれよ」


「いいよ!」


 二人の兄弟が楽しそうにポップコーンを食べていると、テントの照明が消え辺りは静かになった。


「お、始まるぞ」


「うん!」


 二人は目を輝かせながら正面の大きなスクリーンを見つめた。




                  続く……





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