第14話

そしていよいよ俺の番になった。

正直今までのゲームを見ていて俺は勝てる気がしない。

でもゲームはしなきゃいけない。

俺は憂鬱になりながら食堂に向かう。

これが最後の晩餐かと思い朝食を食べ始めた。


主人は喋らない。


俺も喋らない。


そして食事が終わる。


俺は憂鬱のままゲーム会場の席に座る。


「準備はよろしいでしょうか?」


と聞かれ俺は投げやりに


「いつでもいい」


と答えた。


最初は遅い速度から問題がだされた。


俺はもうどうでも良くなっていた。


主人に勝てるはずがないと思っていたからだ。


そしてだんだんフラッシュ暗算の速度が上がってきた。

俺はだされた問題を答えるがやる気はない。


その時主人が口を開いた。


「初めから負けるつもりですか?」


「俺じゃ勝てないからな」


と言い返す。


主人はそうですかとため息混じりに言って問題の答えを答えた。


正解だ。


その時主人が手を叩く。


主人の側に誰か来た。


主人がなにか指示した。


そして次の問題がだされた。


俺は見たことも無いスピードで問題がだされるのを見て諦めた。


俺は降参した。


主人はこのままゲームを続けても無駄だと判断したのだろう。


そして俺は主人の部屋に連れて行かれた。




俺はホームレスになっていた。


アパートを追い出され行く宛もなく何もする気になれない。


そんな俺を主人は殺しても無駄だと判断したのだろう。


身体はやせ細り最初はお腹も空いていたが今では食力も無くなった。


そして俺は死んでいった。

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