第12話

そして次の日また食堂で食事をする。


誰も喋らないまま食事が終わる。



次の対戦者は子供だった。


みたところまだ小学生くらいだ。


その女の子はおばぁちゃんと暮らしていた。


女の子が今よりまだ小さい頃に両親が離婚して母親に連れてこられたのだ。


おばぁちゃんは女の子に優しかったが母親は違った。

最初の頃は頻繁に会いにきていたが母親に恋人ができてからは全くこなかった。


母親とその恋人は再婚したらしい。


そんなときおばぁちゃんが病気で入院したのだ。


もちろん女の子は母親に電話したが取り合ってもらえなかったのだ。


おばぁちゃんは手術をすれば治るらしいがそんなお金はなかった。

だから私はこのゲームに参加したのだ。

おばぁちゃんにもナイショで。


私はおばぁちゃんとよく遊んだあやとりで勝負することにした。


私は主人とあやとりをしていておばぁちゃんを思い出していた。


おばぁちゃんは優しくて温かい人だ。

私がここにくることを知れば反対される。


私はおばぁちゃん心配をかけたくなかった。


ふとそんなことを考えているとあやとりはどんどん難しくなっていた。


おばぁちゃんのために頑張ると決意し気合いを入れ直す。

だが主人も負けていない。



どれくらい時間が経ったのか分からないが俺は見たことも無いあやとりに夢中になっていた。


女の子ももちろん必死に頑張っているがやはり主人のほうが一枚上手だ。


最後の最後に女の子は負けてしまった。


女の子は落胆し泣いている。


主人は手を叩くと女の子は何処かに連れて行かれた。


主人は何も言わなかった。


女の子も何も言わない。


女の子は考えていた。


おばぁちゃんと天国でまた一緒に暮らせるかと。


主人は女の子に目を瞑るように言った。


主人は女の子をすぐにラクにしようと女の子の首をはねた。


女の子は即死だった。


そして女の子のおばぁちゃんも程なくして亡くなった。


女の子が会いに来なくなりなにか変だと思っていたところに警察がきて女の子が行方不明になったと聞かされたのだ。


近所の人が女の子が帰ってこないのを不審に思い通報したのだ。


おばぁちゃんは生きる希望をなくし病気でそのまま亡くなった。

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