第18話権田、柊が早川に報告

翌日、出勤する柊。


「おはようございます」


「あ~おはよう」


「おはようっす!柊さん」


見た目は、何時もと変わり無い朝だったが

早川が


「今日は、僕はコーヒーを入れ無いっすよ!」


「お?どうした?早川」


「そうよ!何時も入れるのに、何で?」


「昨日、二人は僕の悪口を、言ったっす!」


「悪口?言って無いぞ!な?柊」


「そうよ!言って無いわよ、どうしたの?」


「真理亜さんと食事してたら、くしゃみが

止まらなくて、絶対に二人が悪口を言って

ると思ったんすけどね~おかしいっす!」


「あ~まぁ、早川に感謝は、したけどな?

柊」


「そうですね」


「二人が感謝っすか?え?え~~~

ひょっとしたら、二人は?」


「まぁ、隠しても駄目だからな、付き合う

事に、なったぞ!」


「え~え~~~」


驚きの余り、室内を走り回る早川。


「早川、小学生じゃ無いんだから、走り

回るな!」


「だって!だって!本当に付き合うとは!」


「え~じゃあ、今度、真理亜さんと

四人で食事するっす!」


「何でだよ!」


「本当よ!」


「僕は、愛のキューピッドっすよ?忘れちゃ

駄目っすよ!真理亜さんが、二人を見たいって、言ってるんすよ」


「お前は、食事しながら俺達の事を、話

してたのかよ!」


「もう~」


「でも二人は、くしゃみしなかったんすか?」


「しないぞ!」


「うん、しなかったよ!」


「やっぱり、鈍い二人は、くしゃみ何て

しないんすね!」


「お前は、本当に失礼な奴だな!早く

コーヒー入れろ!仕事だぞ!」


「じゃあ、四人で行くんすね?」


権田は柊を見た。

柊は、小さく頷いた。


「あ~分かった!行くから、コーヒー

入れろ!」


「はいっす!」


権田は都合が、悪くなると仕事を、引っ張り

出す。

でも、何故か幸せな、三人はホッコリして

いた。

そして、資料に目を通す権田、柊は、やけに

視線を感じて、顔を上げると、ニンマリした

早川が、二人を交互に見ていた。


「早川!お前は何だ?その顔は!俺達を

見ないで仕事しろ!」


「早川~ただでさえ、あんたは仕事が

出来ないんだから、早くしなさいよ!」


「柊さん、失礼っすね!仕事が出来ないって

まぁ、合ってますけど、普通は直接本人には

言わないっすよ!権田さん、柊さんの何処が

良かったんすか?」


「ゲホッ」


コーヒーを、詰まらせる権田。


「お前は良く言うな~この前迄、柊を

追い掛けてた癖に!」


「あれは、若気の至りっすね!」


「早川~あんたね~朝から、私にケンカ

売ってんの?いい度胸してるじゃ無い!」


柊の言葉を聞いて、早川は動きが止まり

柊とは、目を合わせない。


「何とか言いなさいよ!」


「いや、いい間違えたっす!ケンカは

売って無いっす!僕もまだ命が惜しい

っすから」


「じゃあ、何て言うのよ!」


「柊殿、申し訳ございませんでござりまする」


「よ~し!」


それを見ていた権田は


「早川~相手を見て、言えよ!命は一つ

しか無いんだぞ!」


「もう~権田さん迄~」


「はい!権田さん、僕は自分の命を、大切に

生きて行くっす!」


「いい事だぞ!さぁ、仕事しろ!」


「あれ?でも、僕の質問に権田さんは答えて

無いっすよ?」


「だから、止めとけ!柊を見てみろ!」


そこには、早川を睨み付ける、柊がいた。


「さぁ~仕事、仕事、あ~忙しいっすね」


そんな早川に、権田も柊も笑ってしまった。


「ハハハ」


「フフフ」


とにかく、仲の良い三人だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る