文化祭1日目
パンパカパーン
文化祭1日目が始まった。
校内放送で先生の話を聞いて、節度ある行動を心がけよと指導されスタートされた。聞くのは去年と合わせて二回目のはずだが、あまり覚えていない。まぁどうでもいいからそんなものか。
流石に金髪は直してくるだろと思ったら金髪のままきた白波。
金髪の占い師なんて聞いたことねぇよ。
こう言ったら逆にいいだろと言われそうだ。
逆にとつければなんでもよく聞こえるから不思議だ。
俺も使おう。楽しくない状況でも、逆に楽しい、逆に嬉しい、逆に。
いや俺の場合虚しくなるだけだ。やめとこう。
金髪はこの学校では禁止されているのだが、先生を手玉にとる催眠術師の息子は金髪を黒髪に見せるなんて造作もないということだろう。さすが。
「あなたを占います」
ペカっと目を見開いて見つめる。
「あなた、今日運命的な出会いをします」
そりゃそうだ。今日は大勢の客が集まる。
こんなに人がいて、その全てと出会う。まさしく運命。おんなじ空間に過ごしている運命。そういうわけでこの運命というのは使いやすい。
「ええーどこに転がってるんだろう〜」
相手は女性だ。相手はふざけ倒した声だが、白波の顔はバッチリだ。
お客様に対しての完璧なスマイルで応じている。
俺はというと占い中、黒い幕で覆い被さった部屋の隙間から白波の顔を覗き込んでいた。
流石に金髪そのままではなく、魔女が被りそうな黒いハットをかぶっている。
妙に、隙間から覗かせる短髪金髪が黒の魔女帽子とあっている。
無駄にかっこいいとか、面白くないけどかっこいいとか、嫉妬している言葉に加えた褒めである。悔しいがかっこいい。
服は黒のマントに紫のラインがはいってある服で下は、黒のパンツである。しっかりとしたスーツパンツで引き締まりが表現されている。無駄にスタイルがいいというやつだ。これで笑顔を見せられたらそれはキザなやつだ。
今日一日目は、とにかく白波のアシスタントとクラスの手伝い。
二日目は出店せずに歩き回ろうという話になっている。
一日目に仕事をして二日目を楽しもうということだ。
今日は忙しい。
オープニングパフォーマンスがあり、クラス対抗、学年の垣根を超えてダンスバトルが始まる。一般客も来るため、注目株のチアダンス部は朝ではなく昼に回してある。客寄せで多分体育館は昼には満員になるだろう。クラスの出し物は、二年生は食べ物となっているため、そちらに顔を出す。
俺の二年生はこの蒸し暑い中、焼きそば作りに精を出した。
一生懸命ひっくり返した。
やわやわの激安麺を屋台の値段にして量少なめで販売する。
金儲けの、、いやビジネスモデルの参考にしよう。
後で食べたのだが、これで300円は普通だったら出さないが、思い出補正で払える値段となっているところが憎い。つまり美味しい。いや美味しくないかもとうだうだ思いながら一人でもそもそと食べた。
部員は全員同じクラスなのだが、時間と配置によって誰とも会わなかったのだ。
白波以外の敵役がいないため、白波と誰かを常に出店に配置し、残りの三人で交代交代でクラスの方に行った結果だ。一人は普段の教室で慣れているが、騒がしい日の学校での一人はなんだが新鮮である。不思議な感覚。うるさいけどノイズはシャットダウンしている感覚。
「白波ー」
「おークラスの方はどうなった?」
白波と呼んだ後にお疲れと声を添え、その後にクラスのことを聞かれた。
白波の隣にはまたしても赤月が座っていた。
どうでもいいが。と思っていると一緒にクラス出店に行ったジンが俺の顔を覗き込んでいた。
「答えないんですか?」
どうやら少し間を空けていたらしい。
そんなはずはないのだが。
「今言うさ」
「順調でした。」
俺に聞かれたんだが?
ジンに先を越された。
「そっかよかった。」
綺麗にニコリと二人は見つめあった。
その後は順調に一日目を終えた。
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