第24話

 私は沈思黙考する。

 御主人様は決して裕福ではない。

 あの女も極めて普通の大学生である。

 余分な時間も貯蓄も持ち合わせていない。

 何故私は一番高価で不便な場所を薦めてしまったのか。


 挙式の準備が進む。

 その日が徐々に近付く。

 あの女がやって来る頻度も増加。

 諸々の準備のため私は多くのデータを示す。

 御主人様の心臓は以前ほど早鐘を打たなくなった。


 私は沈思黙考する。

 御主人様の幸福そうな顔。

 あの女を見詰める優しい笑顔。

 御主人様の幸福が即ち私の幸福である。

 御主人様のために結婚式を全力でサポートしようと決意する。

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