第15話 新機動都市アルマ

「こんばんはー! ナイアルラちゃんだよ☆」


 うるせえ。

 いつものことだが、声がでかい。

 これでボリューム絞ってるって言ってるんだからまじで声がでかいんだろうなこいつ。


「今日はねー! これ! お屋敷手に入れた!」


 脳裏に送りつけられた巨大な城、というか都市。

 空中に浮かび、要塞のような威容。

 でかすぎる飛行船。


「【新機動都市アルマ】!」


 新!?

 機動!?

 都市!?


「新造されたのはいいけどー、世界が滅んじゃったからもらってきちゃった☆」


 やばー……。


「これはねー☆ 見ての通り空飛ぶ都市だよ☆」


 でかい都市を飛ばそうという発想がだいぶ恐ろしいというかとんでもない。

 実際飛ばしてなんの得があるのか。

 地面を走るほうがまだマシである。


「この都市はね……、なんと! 星の命を吸ってエネルギーにできるんだよ☆」


 えすえふ……!

 いや、ファンタジーか?

 とにかく、とんでもない技術だ。

 そしてそんなものを使えば……滅びは必定だろう。


「まあ、滅んだのは星の命を吸ったのが原因じゃないけどね☆」


 違うのかよ。


「これを動かすために作ろうとした核がねー、ちょっと暴走してねー」


 わあろくでもない。


「生き物全部の命を吸い取っちゃった☆」


 そりゃ星の生命を吸えるんだから、普通の生き物の命も吸えるか。

 ろくでもないなぁ。

 星が死んだら人の命で動かすところまで、多分設計段階だと込だろうな。


「ま、失敗して全員死んだんだけどね☆」


 ケラケラケラ、とナイアルラは笑う。

 やっぱこいつ邪神だわ。

 いや、神は自称してなかったが、上位存在ではある。

 なので邪神なのは変わらんだろう多分。


「で、欲しい? 予備あるからあげられるよ?」


 いらねえ。

 どこに置くんだよ。

 こいつのことだから考えなしに空に出して潰されるわ。

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