作文

 学校の授業で作文の宿題が出たテーマは「自分」


 自分は作文は得意な方だありていの文章をつなぎ合わせれば、ある程度の形ができてくる今回もそうすればいいと思っていた・・・・・のにペンが少しも進まない


 「自分」・・・・・たった2文字のはずなのに、自分の胸に深く突き刺さって動きを止める・・・・・


 「どうしたの?」

 固まっていた自分に声をかけてきたのは沢田さんだった

 沢田さんはさっきまでクラス中の生徒から、質問攻めにあっていてさっきやっと開放されたところだ


 「宿題の作文書いてるの?」

 「うん・・・」

 自分はそう答えると、また作文用紙に向き直る


 「・・・・・・・・・ねぇ」

 「どうしたの?」

 自分に沢田さんは再び声をかけたかと思うと


 「今日の放課後、私に街案内して!!」

 「自分が・・・?」

 「そう!お願い!」

 沢田さんは子犬のような顔で自分に頼む


 「わかったよ・・・」

 僕は僕の口から出た言葉を疑った


 「ありがとう!!じゃぁ、放課後よろしくね!!」

 「うん・・・」

 沢田さんの笑顔見た瞬間、僕の持っている台本の何かが書き変わった気がした

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