先ず我より始めよ

作家:岩永桂

第01話 先ず我より始めよ

先ず我より始めよ


02月23日(THU)

 書斎にある国語辞典には古文の用語が掲載されていなかった。

聞くところによると、古語を集めた辞典もあるそうだが

そんな洒落た書物は生憎ウチには無い。

 適宜、スマートフォンで調べて行くとしよう。


 生徒は2022年冬季に中間試験を受け、

現代語学で80点台

歴史全般で20点台だったそうだ。

 60点の開きは関係無い、科目が違うので比較にならない。


 しかしながら、彼の弱点は後者だとありありと解るので

今日は歴史全般に重きを置いた授業にして

現代語学は模擬試験をぶちかましてやろうと思う。


 空が白んで来た。とても真面目な生徒なので

雨天でもレインコートを着て、自転車で現れると言う

これがいわゆる「雨天決行」と言うやつだ。

 白む山際のコントラストが美しい。

これがいわゆる「やうやう白くなりゆく山ぎは」

「春は、あけぼの=夜明け」「冬は、つとめて=早朝」

 勉強MODEになって来た。授業開始2時間前の書斎。

【AM 08:30】になったら、仏間の暖房を入れて暖気を集める。


【AM 07:26】になった。時刻表示の書き方の練習。

一定の時期から半角英数を多用するようになった。

先輩作家さんから指摘を受けたからだ。

 改善の対義語、改悪と言う言葉もあるが、

そう言ったことを狙った意地悪では無いと思っている。

後は鋏の使いよう、その人自身、半角英数依存で書くのだから

心中する思いで、同じ轍を踏んでみようじゃないか。


【AM 08:00】この表記には慣れて来た。

完全再現したいなら、コピーペーストを活用したい。

生徒の為の飲み物を買いに行く。未だ空に蒼さが足りない。

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