✪ ストーリーライン ✪
▪ 舞台はハンガリー、ブダペスト。
夜明け前。
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▪ 日当たりの悪い、狭い部屋。テディが部屋に入るとルカは起きていて、無表情な顔をこちらに向けた。どこへ行っていたと訊かれ、ちょっと腹が減ってとテディはチキンサンドの袋を見せる。だが、持ち合わせなどないはずと知っているルカに金はどうしたと訊かれる。答えられないテディ。
また男娼の真似事をしてきたのだと察し、頭を抱えるルカ。しかしテディはルカに責められると、親から金をもらうのと寝た相手からもらうことに、どれだけ違いがあるのかと云い返す。
怒りを呑みこんだルカはテディの脇を通り過ぎ、イギリスへ帰ると云い棄てて部屋を出ていく。
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▪ ひとりになり、過去のことなどいろいろ考えこむテディ。ルカが本当に自分を置いてイギリスに帰るとは思っていなかったが、しかしこんな自分がルカといてもいいのだろうかと悩む。
鍵の音がしたとき、まさかこんなに早く戻ってきたのかとテディは驚く。
ルカは喧嘩のことなど忘れたかのように段ボール箱を抱えていて、どうしようと途惑った顔をした。中には小さな仔猫が二匹、寄り添ってこちらを見上げていた。
スーパーのシャッターの前に置かれていた、まだ寒いので放っておけなかった、とルカ。とりあえずミルクをお湯で薄め、与えてみることに。しかしまだ皿からではうまく飲めないようで、テディはあとで買い物に行ってくると云う。
さっきは云いすぎたと謝るルカ。テディも自分が悪いのだと詫びるが、要は仕事がみつかればいいのだと話を切りあげるルカ。
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▪ 仔猫用の哺乳瓶や粉ミルクなどを買い揃え、テディが説明を読みあげるのを聞きながら慣れない作業をするルカ。哺乳瓶に食いつきミルクを飲む仔猫に、思わず笑顔で顔を見合わせるふたり。
腹が膨れ、眠そうな様子の仔猫たち。暖かくしてやろうと縮んでしまったセーターを箱に入れ、袖の部分で抱きしめるように包みこんでやる。愛くるしい寝顔で気持ちよさそうに眠る仔猫に目を細めるルカ。
ルカは、情が移る前に引き取ってもらえるところを探さなければと考える。
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▪ テディに野良猫などを保護する団体かなにかを探そうと思う、と話すルカ。テディは少し残念そうだったが、自分たちは仕事をみつけなけれないけないし、こんな寒い部屋で猫だけ置いておけないと聞き納得する。
もらってきた冊子にそういった団体の連絡先が載っていて、そのなかに近くの教会をみつける。ルカはそこへ仔猫を連れていこうと決め、電話をかけに行く。
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▪ 部屋に備え付けのオイルヒーターはまったく利かず、電気を喰うだけ無駄だと使っていなかった。厚手のスウェットスーツに靴下も穿き、狭いベッドで体温を分け合うふたり。
明け方、みぃみぃとか細く鳴く声にルカが目を覚ますと、一匹が箱から離れた場所で冷たくなっていた。セーターをよじ登り、箱から転げ出てしまったのだとわかり、ショックを受けるルカ。テディも起きてきて小さな亡骸を手のなかに抱き、撫で擦る。
今からでも名前をつけてやろうと、テディは死んだ仔猫にドロシーと名付ける。
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▪ 一匹になってしまった仔猫を教会に連れていくふたり。近くにある公園は猫の居場所になっていて、地域猫として可愛がられている猫の世話をしているのだとシスターに説明される。
ルカとテディは仔猫を土に返してやりたいと、シスターの許可を得て公園の片隅にある花壇に埋める。
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▪ ひんやりとしたフラットに戻り、もっと暖かいところに移ろうと話すルカ。
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▪ 長距離バスでプラハへとやってきたふたり。無事に住むところをみつけ、新しい生活のためにルカはいろいろと買いこむ。ちょっと買い過ぎじゃないかと云うテディに、これまでと違ってちゃんと生活していくために揃えるのだ、料理もやろうと思えばちゃんとできる、仔猫のミルクだってそうだったとルカ。
しかし、なんだかんだと結局、昼も夜もホスポダなどで外食をする毎日に。
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▪ ある日、まだ来たことのなかったホスポダでランチを楽しんでいたふたり。
もう食べ終わろうとしていたタイミングで、強面の店員が注文していないボイルドポテトを運んでくる。間違いだと云ってもその店員はサービスだと下げようとせず、離れようともしない。
いったいなんなのかと思っていると、その店員はルカの口遊んでいた歌が気になったと云って、バンドをやらないかと誘ってくる*。
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❐ グッバイ、イエロー・ブリック・ロード [Unrated version] ≫ https://kakuyomu.jp/works/1177354055534384935
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※〈THE DEVIL [Extra edition]〉に収録の《TR-01 - Come Together》は、このシーンをユーリ視点で描いたもの。
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