角川ホラー文庫デスゲーム小説コンテストには届かない。

明鏡止水

第1話

こんど、角川でホラーのデスゲームコンテストがあるんだけど


デンシャに揺られる中、たくさんのヒトビトと空間を共有しながら高校生が言う。


へえ、ホラーか。貞子がいちばんだな。


親友がゆったりと座りながら答える。


ちなみに応募資格は?


本文が80000字以上、14万字以下。


80,000?!


つい文字数ではなく金額で換算してしまう。


それ、本でいうとどれくらいの厚さで、メモリだと容量どれくらいので読み込めるの?


オレもわかんない。


周囲のヒトビトが身動き一つしない。ただデンシャに揺られるだけ。高校生はヒトビトをなんとか、言葉で言い表せないか考える。親友が言う。


ホラーならカラダ探しって作品?言葉?が怖かった気がする。でも、デスゲームならなにもリアル鬼ごっこやイカゲーム、カイジじゃなくてもいい!


どういうことだ?

高校生が問う。


社会的な死だよ、そいつでも十分、


今の時代デスゲームだ。

それに。


漫画でもあるだろう。〈読み込んだ〉ダーウィンズゲームに、フォロワーまで死ぬ、リアルアカウント!

ゲームで死ぬって言えば、1番恐ろしいのは、


SAO。エスエーオー!ソードアート・オンラインだぜ!


親友が自信を持って言う。この世界ででもゲームの中でホントに死ぬのが大変なのに、〈実体〉のカラダってヤツはナーヴギアで固定。誰が頭を洗ってくれるんだ。外すとなると電子レンジ。ゲームで死んでも電子レンジ、その間にアスナみたいな危機に瀕したら?俺たちだっていきてけないぞ?


さっきからジョウキャクがこちらを気にし始めている。特にアカゴをおんぶした抱っこ紐?おんぶショルダーの女性。周りのさらりーまんや、おなじガクセイまで。おそらくみんな読み込んだか呼び出したのだ。名作ほどダウンロードしている。


とにかく、


高校生は話をホラーの道へ持っていこうとする。

それとコンテスト。


おれはガラパゴスケータイを出す。

親友が驚きと共に笑う。


オマエ、ガラケーってやつ使ってんの?!すげー!!ホンモノのケータイ小説だ!


喚くなって。静かにおれは親友に目をやる。


とにかくデスゲームなホラー、考えてみてくれ。


そんなの決まってる!!!

社会的な死だ。


親友は譲らない。

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