怪盗忍者 風魔小太郎
あさしすさき
第1話 忍びない忍者
「うっ、眩しいな。」怒りとダル気の
混じった声を出しつつも、よろよろと日光駄々漏れのカーテンを開けた。そして、
5秒程度、日光を浴びたのち、洗面所へと脚を引きずるようにして向かった。
「ジャジャー」レバーを引き水道から勢いよく水が出た。それを両手ですくって3回程度顔に浴びせる。横にかけたタオルで顔を拭き鏡を見る。そこにはいつも、白髪交じりの頭をした無精髭の目立つ男が立っている。
そうしてしばらく棒立ちしていると、
「ふぁおぁ~」「グゴギュ~」とあくびと腹の虫の合唱が鳴り響いた。それは彼にとって
己が空腹であると理解する唯一のサインだった。
「ふぅ」とため息をつきつつも、タンスからジャージを引っ張り出し、羽織ったと思うと
そのまま外へ出た。行き先はコンビニであり
朝食を買いにいくのだ。「今日はどのおにぎりにしようか。」そんなことを考えつつ、
目も冴えてきたところで彼は動きを止めた。
そして両ポケットを左右の手で同時に叩く。
ビスケットを増やそうしているのではない。
サイフの有無を確認したのだ。
案の定、自分の太もも以外の感触はなく、
粉を飛ばしながら頭をかきむしった。
普通ならば、急いでサイフを家に取りに行くだろうが、彼の場合そうではない。
そのまま直進し、目の前のコンビニへ入っていった。そうして店内をぐるっと一週した後彼はコンビニから去っていった。
麦茶と3つのおにぎりを抱えながら。
さて、そろそろネタバレしてもいいだろう。
彼の正体は、、、忍者なのだ。
ま、そんなのタイトルにも書いてあるしわかるでしょうけども。
てな訳で彼が一体どうやっておにぎりを手に入れたのか解説しよう。
彼が使った忍術とはズバリ「三無忍」である。「三無忍」とは、足音を消す「無足忍」
呼吸音を消す「無息忍」、臭いを消す
「無臭忍」をまとめたものである。
故に店員に気づかれることなく、彼は無料飯が食えるのだ。だが、監視カメラにはバッチリ映っているため、証拠は残るものの、
先程の通り、誰にも気づかれないため、
事件にはならないのだ。
そんな彼の名は風魔小太郎。
現代を生きる最後の忍者である。
そして、作者がこの作品に出るのも今回が
最初で最後である。
「え~、もっと出たい。」と作者は
ごねているが、こやつのせいで文字数が
とんでもないことになっている。
よって、作者を出禁にし、次話からは
風魔小太郎の日常のみを書いていこうと思う。
風魔小太郎の生き様、ぜひ最後まで見届けてほしい。
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