「すえのぼうや」

「なに？　お母さん」

「なにか、いいことでもあったのかい？」

「なんでもないよ」

「そうかい？」

「うん」

「ふもとには、下りなかっただろうね？」

「う、うん……」

お母さんは、すえのぼうのキラキラした瞳をじっとのぞきました

「ほんとだよ！　行ってないよ！！」

「まあ、信じてやろうかね」

「う、うん……」

「かわいい、かわいい、すえのぼうや」

「なあに？」

「お母さんをあまり心配させないでおくれよ」

「うん……」

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