第10話 あとのまつり

 うわー、しったいだ


 これがくろれきし、くろれきしというのか、


 おだいりさまはたぶれっとでしらべてみた


 はい、もじどおりのてんけいてきな、くろれきし、というものです、しかもひなまつりならぬ、あとのまつりです


 と、たぶれっとにはかかれている


 こころなしか、たぶれっとにかきこみにきたくろこさんがならんでつりをしたひとのようなきもするけど、そこはみなかったふりをするのがばんどうのならわしです


 たぶれっとにかかれているのだからそうなんだろう



 おだいりさまはあたまをかかえた



 おひなまつりおわったけどまだつづく


********


繰り返しになりますが、お内裏様の石板タブレットは薄い石の板に紙が貼ってあるものです。

 傍に控える黒子がサラサラと答えを書き込みます。

 坂東では見て見ぬふりをするのが慣わしとなっています。


 ただ、今日の黒子は太公望先生だったような気がしないでもないです。

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