せーのっ。
荒川 麻衣
第1話 青少年自殺倶楽部
せーのっ。
そう言って、みんなで手を繋いで、新宿駅のプラットフォームに飛び降りた女子高生がいたんだって。
ふぅん。
「彼女」は、カリスマだった。「彼女」にみんなが惚れた。
「彼女」は、あの日、時計台の前にいて、こう宣言した。
わたしたちは、自殺仲間だ。世の中、自殺は悪いことだというけれど、ここの仲間たちはみんな、一度だけでも自殺を試みたサバイバーだ。だから、後遺症の重い人ほど、ヒーローだ。
戦隊ものも、仮面ライダーも、ウルトラマンも、心身ともに健康じゃないとなれないけど、ここじゃあ、障害の重い人が幹部になれる。
ここが俺たちの楽園だ、と「彼」が宣言する。
性別もない、障害者に自由を!健常者だらけの世界に報復を!
そして。
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