第4話 男の子?女の子? ②
中学に入ると制服も男の子の制服だった。他の女子たちと同じように、セーラー服を着たかった。
胸元のタータンチェックのリボンを付け、プリーツスカートを履きたかった。
内緒で時々瑠璃のセーラー服を着たことがある。スカートが少し短かかったけど、アタシらしくなれて嬉しかった。
だから思い切って、卒業式の時にセーラー服を着て出席した。
お母さんは「いつの間に?」って驚いていたっけ…。その顔がおかしくて今でも覚えている。
先生や他の生徒たち、アタシを知っている近所のおばさんやおじさんたちも、みんな驚いていた。(笑)
体育館中しばらくザワザワしていたけど、アタシは堂々としていた。だってこれが本当のアタシの姿なんだもん。
✤✤✤
高校生。
アタシは地元の子たちが通わない、電車で1時間くらいかかる高校に通った。
もちろん制服は女の子用。
高校の制服を買いに行く時は、お母さんからお金だけ預かって、1人で買いに行った。
お店の人は誰も男の子だなんて、疑いもしなかったみたい。
買い物に行く時も自慢の髪の毛をポニーテールにして、白のタートルネックに黒のホットパンツ。黒タイツに厚底ブーツ履いて行ったから…。
あれだけ短く切った髪の毛も肩より少し長いくらいになって、アレンジ出来るようになった。これからはしばらく伸ばしていこうと思った。
アタシは、中学の時はみんなにからかわれていたけれど、高校生デビューするんだって決めていたんだ。
最初から女子の制服に身を包み、ポニーテールの出で立ちだから、誰も男の子だなんて思っていなかったみたい。
友達も女の子が多かったし、男の子にナンパされたり告白だってされたことがあった。全部断ったけど…。
幸い肩もなで肩だし、喉仏も目立たないし、女の子としてやってこれた。
先生はアタシが男の子だってこと知っていたけど、世の中はアタシみたいな男の子も受け入れやすく出来ているから、少し注意はされたけど、大袈裟にはならなかった。
そういえば「どっち?」ってウワサされたこともあったな…。
そんな風に高校生活を送っていた時に、吉田さんに声をかけられた。
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