第6話 魔王
「魔王退治は辞めた」
勇者は敵地を前に踵を返した。
「此処まで来て何を言ってるの!?」
「魔王を倒せば終わりなのに!」
戸惑う仲間たちは必死に勇者を止める。だが、勇者は引かない。
勇者は悟った。世界最悪のモンスターは魔王ではない。人間たちの方だ。
自然を破壊し、生き物を殺し、何が残るのだろう。
それならば、人間を滅ぼした方が世界の為になる筈だ。
「止めるなら、お前たちから殺す」
剣を振るう勇者に、仲間たちは為す術なく散っていった。
この世界に魔王など最初から居なかった。人間が作り出した偶像だった。
勇者はこの世界最初の魔王に成り下がったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます