坂本龍一 様

坂本龍一様


私は貴方が旅立たれたというニュースを知っても

何故か悲しくありませんでした

「無念」と思わず笑顔で旅立たれていますように

思うことなど

これっぽっちも感じられない

むしろ

心たおやかだ?

いや

心落ち着き

落ち着き払っているとさえ感じる


これはどうしたことだろう

貴方には想い巡らせるあの強い記憶が残っているのに

これは何故(なにゆえ)になのだろうか

自分の心と頭に問いかけてみる

すると

なんと

すぐに答えが出ていたとわかったのだ

何故(なぜ)ならそのとき

頬に空気が風ていたからだ

身体に風がざわめいていたからだ

耳にざわめきかすめていたからだ

そうなのだ

貴方がこの世界にいると感じていたカラダ

だから

私は悲しくないのだ

貴方はこの世界を旅立ってなどいなかったのだ

貴方はこの世界となっただけだったのだ

この世界の

どこかで

どこでも

どこであれ

大きな

小さな

色めき

色めく

何かの音が奏でられれば

それは

いつでも

いつのときでも

いつであっても

貴方が奏でた音だと

感じ考え想い馳せる

そう

そういう風(ふう)に

そういう風(かぜ)を感じていた

そういう風を感じているから

だから

私は悲しみになど屈することがなかったのだ

だから

別れの挨拶など思いもしないし考えもしない

ただ

「ありがとうございます」と

お礼は

いつだって

いつ出会っても

いつのときでも

言うのは

いいことなのであると考えましたので

言っておきます



脳みる脳心



⭐︎戦場のメリークリスマス

話の内容は覚えていませんが

それでも思い出そうとすると

「深い悲しみの心」が頭をもたげます

ビートたけしさんデヴィット・ボウイさん

と素敵な人が出演していたあの映画の

あの音楽

私は一時期洋楽にはまったときがありました

そのときに

「英語だから歌詞がわからないのに好きになるなんて」

「歌って歌詞じゃなくって音が人間を夢中にさせるものなのか!」と思った記憶があります

あの映画のあの音楽を

そして

これからは

ほおに触れる空気

身体に舞う風

鳥のさえずり

虫の鳴き声

草木の息吹き

花の蕾の開花音

何かの音を感じたそのとき

坂本龍一さんを思い出すのではないかと感じています


余談ですが

大島渚監督の顔を野坂昭如さん殴るニュースをテレビで見たときに

私は

感動してしまいました

幼少期のある体験から

暴力的なことが大の苦手な私ですが

それなのに

あの場面は

「感動した」のです

どう感動したのかというと

「ものすごい信念を持った人間同士の

その信念と信念のぶつかり合いだ!」と感じたのです

このときの私は大島渚さんも野坂昭如さんもどのような人物か知りませんでしたし

今もよく知りません

それでも

あのシーンを見ればあの2人の魂のぶつかりあいだと感じることができました

そして

「こんなすごい人間たちがこの世の中にいるんだ!」と

感動したのと同時にうれしくなった

記憶が残っています


脳心

暴力を称賛していのでは決してありません



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