第六章 118 理非
「くっ……、一体どうなっている?!」
クリスタルタワー内部のモニターに映し出されているのは、科学の粋を集めた自国の軍隊がほんの数人の冒険者達と召喚獣らによって蹴散らされていく光景。クリスタルで出来た戦車やゴーレムなど、無人の軍隊ではあるが過去の世界大戦で無敵を誇った自軍の戦力が次々とやられていく。タワーの
これが神とその力を受け継いだ闘士達の力なのか? 且つての大虐殺で手も足も出なかった神々相手と同様、またしても敗北するというのか……。絶望的な現実に焦りを覚えた皇帝イグナーツの表情は青く染まっていく。その時モニターが捕えたのは、銀と赤の
真紅の髪の毛先は金色。ツインテールの様なくせ毛に澄んだ碧眼。余りにも美しいその姿と鋭い眼光。同時にその切っ先が自分の喉元に突き付けられているのだという恐怖。そしてその美しい剣士が口を開いた。
「見ているか、イグナーツとやら。お前の自慢の玩具の軍隊はもうすぐ壊滅する。首を洗って待っていろ。今更命乞いは聞かねえからな。この世界を、俺達を敵に回したことを後悔しやがれ」
モニター越しに破壊音や爆発音が鳴り響く中、イグナーツは通信器具で言葉を返した。
「ククク……、まるで正義の味方かの様な口振りだ。そうか、その声、貴様がカーズとやらか。だが今更我等が命乞いなどすると思っているのか? この世界は全て神によって創り変えられた紛い物だ。私はこの世界を浄化し、人の手によって創り直す。貴様は知らないのか? 且つては我々がこの世界を手にしていたのだ。それを身勝手な神々が滅ぼしたのだ。そんなことも知らないガキがでしゃばるな。我々こそがこの世界の救世主なのだ!」
「知っているさ……」
「何だと……?!」
「お前らが侵略戦争を仕掛けたせいでこの世界は混沌に包まれ、神々による粛清が始まったことを。俺はその時の世界に暮らしていた普通の人間だった。確かに世界を滅ぼしたのは神々かも知れない。だが、俺はそんな神々の救済とやらで異世界に飛ばされた。運命や歪んだ因果を呪ったさ。でもな、結果はどうあれ、大虐殺の切っ掛けを作ったのはお前達だ。それがなければ過去の俺達も苦しんだりしなかった。お前らの存在は神々の業そのもの。そして過去の俺達の運命の決着でもある。それを断ち斬るため、俺は悪魔にでもなってやる」
「それが貴様の闘う理由か? たった数人の思いなど我らが成そうとしているものの前には果てしなく下らない理由だ。我々のそれは滅ぼされた過去の世界に対する救いでもあり慈悲ですらある。大義と言っても良いだろう。そんな大義すらない貴様らに我らは決して屈することなどない!」
「大儀だと? この不毛な闘いに意味なんてない。殺しに意味を求めるのはイケ好かない政治家や独裁者だけだ。だからお前らの仕掛けた戦争にも意味などない。お前はただ我欲を満たしたいだけだろ。安心したぜ、お前らみたいなクソが相手で。お前らみたいな奴らをぶっ潰すのに俺は最早何の躊躇いもない」
「……そうか、だが貴様もこの世界と神々に苦しめられたのだろう? 本心では復讐したいのだろう? それなら私の手を取るがいい。今なら世界の半分を与えてやるぞ」
カーズの毅然とした口調に焦りを隠せないイグナーツは血迷ったことを口にする。その後ろ姿を見ていたヴィオレは呆れ、嘆息を吐いた。ここまで御膳立てしてやったにも関わらず、余りにも小物過ぎる。
ヴィオレは最早興味を失っていた。その代わりにそこまでの堂々とした態度を示すカーズに興味の対象は移り変わっていった。
「……はぁ? 下らねー。そういうのは前世のRPGでもうお腹いっぱいなんだよ。それにこの戦況でまだ勝ち目があるとでも思ってんのか? もういい、お前は俺がキッチリ殺してやる。これ以上は問答無用だ!」
「くっ、ま、待て!」
ドズンッ!
「ぐっ……、ヴィオレさ、ま……?!」
カーズとの遣り取りを見ていた原初の紫、ヴィオレの右手の5本の爪が伸び、イグナーツの身体を後ろから貫いた。
「あーあ、下らない。アンタはもう用済みね。全く持って下らないわ。アンタ達ももう要らないわ。さよなら」
イグナーツの下に駆け寄った重鎮達の首がヴィオレの爪によって飛ばされる。元の長さに戻した爪に付いていた人間の血液を舐め、残虐な笑みを浮かべるヴィオレ。
「ぐ、はっ……! 魔神……やはり、所詮は神ということか……」
「はぁ? 退屈させるんじゃないわよ。まあ期待もしてなかったけどね。でも折角だし、この施設は使わせて貰うわ。来なさい、中華の英傑魔神達。悪魔共を引き連れて、あのカーズと仲間の首を取ってらっしゃい。ファーレが危惧していたようだけど、ここで終わらせれば神魔大戦は楽になるからね」
ヴィオレの影から数人の魔神達が召喚される。原初の魔神達に無理矢理蘇らせられた彼らはまるで自我が無い人形のように、ヴィオレの前に跪いた。大いなる意思によって力を与えられたヴィオレ達七色によって、死の国、冥界やそこにある夢界で眠っていた英霊達は新たな肉体を与えられ、眠りから目覚めたのである。
「では、行って参ります……」
「仰せのままに……」
「「「……」」」
僅かに言葉を発し、彼らは塔の外へと出て行った。そしてヴィオレの後ろにもう一人、長く濃い茶髪をした男の魔神が現れる。
「ヴィオレ様、私はどうしましょうか?」
「そうね、あなたはあのカーズと因縁があるのでしょう? だったら首を取って来なさい。あなたには私が直々に魔神の神格を与えたのだから。失敗は許さないわよ、レオ」
「ハッ、お任せ下さい」
レオと呼ばれた男の魔神の姿が消える。
「ぐ……、勝手な、こと、を……!」
まだ息のあるイグナーツをまるで虫けらを見るかのように見下ろし、ヴィオレはその額に長く伸びた爪を突き刺した。
「さあ、楽しく踊りなさい。神も魔神も神の闘士とやらも私にとっては等しく玩具。楽しませて御覧なさい、アーハッハッハ!」
ヴィオレはイグナーツの亡骸を踏みつけて嗤った。
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通信が途切れた。どうやら内部のゴタゴタでイグナーツは消されたらしい。そして背後にいる魔人はヴィオレという女魔神。そいつに付き従っている魔神や悪魔共がいるようだな。まだまだ気は抜けない。寧ろこれからが本番だ。
(みんな、今の声は聞こえていたな? これから魔神達が攻め込んで来る)
念話を飛ばす。
(カーズ、今のヴィオレという者は原初の紫の魔神よ。まさか原初が裏で糸を引いていたとはね……)
サーシャからの念話だ。まさかのそんな大物が来ていたとはな。情報を聞き出す必要がある。
帝国軍隊の掃討はほぼ終わっている。後は魔神や悪魔を斃すのみだ。
「これで最後! 消えなさい、
ドゴオオオオオオオオオオ!!!!!
アリアの奥義で帝国軍隊は全て粉々になって消え去った。だがここからが本番だ。まだみんな余力は充分にある。先程の俺と奴らの声はみんなにも届いていたはずだ。全員が気を引き締めて魔神の襲来に備えている。
ヴン! シュン! ババババッ!
塔から飛び出して来た数人の影が、エリック、ユズリハ、アガシャにディード、アジーンとチェトレの前に立ちはだかる。黒い中華風の
「久しぶりだな、カーズよ。よもや忘れたとは言わせんぞ。我が身を纏え、
黒と紫に輝く
「誰だテメーは? 俺は魔神なんかに知り合いはいねえぞ。アヤ、イヴァ! エリック達が動けない、二人で悪魔共を片付けてくれ!」
「ええ、任せて!」
「任せるのさー!」
アヤとイヴァが悪魔の大軍に向かうのを見て、ニルヴァーナの切っ先をそいつに向ける。
「我が妹に悪魔の相手をさせるとは……。やはり貴様はここで俺が斬り捨ててやる!」
妹? 何言ってるんだ? 鑑定、魔神レオンハルト? ……あ、いたなそんな奴。毛根破壊してやったのに髪の毛が伸びてやがる。武者修行に出たんじゃなかったのか?
「誰かと思えばシスコンのハゲか。今更何しに来やがった? とち狂って魔神に魂を売ったのか? 見下げた野郎だな」
「黙れええ! 貴様さえいなければ俺があの国の跡を継ぐことになっていたのだ! だが武者修行の旅で死にかけていた俺にヴィオレ様は新たな命を与えて下さったのだ。そうして俺は魔神として生まれ変わった。そう、貴様を斃すためにな!」
わなわなと震えながら歯ぎしりする様にレオンハルトが言い放つ。そうか、死の間際で魔神に命を救われたか。それが利用されているともわからずに愚かな奴だ。ならば……
「だったらお前はここで俺が引導を渡してやる。闇に堕ちた兄など妹のアヤには見せられないからな。覚悟しろよ」
「フッ、今更貴様などに負けると思っているのか? 見せてやろう、この俺の圧倒的なパワーを! 来い、魔神器
レオンハルトのかざした右手に赤黒く光る両刃の大剣が顕現される。ほう、これがこいつの魔神器か。確かに凄まじい力を秘めている様だな。当たればタダでは済まないだろう。だが、当たればの話だ。それなりに腕は磨いてきたようだが、あれからまだ数か月しか経っていない。俺もあの時とは比較にならない程の修羅場を潜って来た。悪いが負ける気などしない。
「喰らえ、この一撃を! 天地壊滅斬!」
ガキィィイイイイン!!!
大振りの斬り降ろしを左手に持ったソード形態のニルヴァーナで受ける。
「何ィ!? 片手で天地壊滅斬の一撃を受け止めるとは?!」
「軽いな。所詮お前は悪魔に魂を売った悪の尖兵。この世界の全ての人達の思いを背負った俺達とは覚悟が違うんだよ!」
ギャリィイイン!!!
レオンハルトの魔神器を薙ぎ払う。再鑑定、レベル3250か。何処で経験を重ねたのかは知らんが、今の俺の敵じゃない。
「お前は短期間でどうやってそこまでレベルを上げた?」
「そんなことが知りたいのか? 地球とか言う別世界の大戦に身を投じてあらゆるものを斬ったに過ぎん!」
「そうか、自分と関係ない場所で関係ない者達を殺したということだな? あそこには苦い思い出しかないが、それでも俺にとっては第二の故郷とも言える場所だ。そこを荒らした罪は重い。しかも原初の魔神とつるんで好き勝手やっていた様だな。お前は俺がこの手で殺してやる!」
「ククク、見知らぬ世界の住人が幾ら死のうとも知ったことか。貴様にこの俺の気持ちがわかるものか!」
「よく言ったな。お前の気持ちなんざ知りたくもねーよ。テメーはクラーチの汚点だ。国王には死んだって伝えておいてやる。いくぞ」
「ああ、いいだろう。決着を着けてやる! 来い、カーズ!」
魔神の神格を苦労せず手に入れて調子に乗りやがって。魂までも汚染されたようだな。今すぐ滅却してやるよ。ニルヴァーナを二刀の刀に変化させ、両の腰に鞘を差す。そして両手を交差させ、二刀を抜刀する構えを取る。
「じゃあな、レオンハルト。武者修行で少しはまともな人間になると思っていたが、勘違いだったようだ。消えろ、
カッ!
「
「くっ、これはあああああっ!??」
光速の二刀の抜刀から 左右からの一撃目! 同時に上下からの二連撃! 更に両肩からの袈裟斬りに斬り上げの四連撃! そこから10発の突きに全身を頭部から足先まで切り刻む多段横薙ぎ! 更に上下からの同時連撃、左右から斜めに体を両断する様な十字を描く突きが光の様な速度で繰り出される! そこから袈裟斬りと対になる斬り上げを超速で放つ!
ここまでが一連の型。そこから最初の左右からの連撃が繰り返されるのだが……
ザヴァアアアアアンッ!!! ザキンザキィンッ!!!
最初の一連の型までで事足りた様だ。レオンハルトも奴の魔神器も粉々の肉片になって消え去った。愚かな奴だ……。魔神に魂を売った時点でお前の負けは決まっていたんだよ。
燦々と輝く神格が降り注ぐ。あんな奴でも消え去るときの神格の輝きだけは綺麗なものだ。さて、お次はあの趣味の悪いクリスタルタワー。頂上には神鉄製の避雷針が天を衝く様に設置されている。あれを破壊するには、太陽の力を借りることになりそうだな。
次々に現れる悪魔達はイヴァとアヤが滅却してくれているが、塔に近い。巻き込むことになる。二人を側まで下がらせて、塔の上空に創造魔法を展開する。
「カーズ、あの塔を破壊するんだね? あの魔法陣、そうか太陽の光をレンズの様に収束させているんでしょ?」
「ああ、それを更に魔法陣を重ねて熱量を上げる。そこに爆発するイメージを注ぎ込むんだ。アヤ、魔法陣が安定する様にコントロールを頼む。俺はイメージを構築する」
「うわー、またカーズがとんでもないことをやろうとしているのさー」
頭にぶちを乗せたままのイヴァが隣でそんなことを口にした。その通り、太陽ってのはとんでもないエネルギーを秘めているものなんだぜ。
上空から何重にも張り巡らせた魔法陣が太陽光を収束し、どんどん熱量が上がって行く。太陽の表面(光球)の温度は約6000℃だとされている。だがこれはルーペでその光を収束させて炎を起こすようなものだ。しかも俺達が使っているのは魔法。普通の人類の科学で生み出すものとは規模が違う。何重にも重なって収束された魔法陣の上で、それを破壊するほどの熱量が集まっている。恐らく数千万、数億℃の熱量がそこには集まっているはずだ。さあ、そいつを一気にこの塔に叩きつけてやるぜ!
「いくぞ、アヤ!」
「うん、はああああ!」
最後の魔法陣に爆発するイメージを注ぎ込み、一気に太陽エネルギーを炸裂させる!
「いけー!」
「「
極光の太陽光に爆発するイメージが付与される。その超高熱にクリスタルタワーは大爆発し、蒸発する様に消えて行った。内部にいる原初の魔神とやらもタダでは済まないはずだ。
しかし、その内部から紫のオーラに包まれた女性の魔神が此方へと飛来して来た。嘘だろ……、あれ程の超高熱の中で生きているって言うのか?!
「来るぞ、構えろ!」
「待ちなさい、カーズ!」
「アリアさん?! 他のみんなは?」
後方から爆発に気付いたアリアが飛翔して来た。
「五人の魔神が現れましたが、サーシャ達もいます。私はあの紫を何とかしなければいけません。まさか原初の魔神が糸を引いていたとは……。これは地球に潜伏していた奴らが蠢き始めたということなのでしょう。ファーレが口にしていたように神魔大戦が近いのかも知れません」
俺達が話しているところへ、紫の煽情的な魔神衣を身に纏い、紫の槍を持ち肩にパペット人形の様な物を乗せた女性の魔神が飛んで近づいて来る。さすがに多少のダメージはあったのだろう、魔神衣が所々破損している。額からは赤い血も少しだが流れている。
だが一目見ただけでわかる。コイツは危険だ。あのファーレと同じくらい、いや下手したらアイツよりも相当の化け物だ。鑑定が全く機能しない。全身から溢れ出る紫の神気のオーラも激しく燃え盛っている。
「フフフ、面白いわ。想像以上の逸材ね、神特異点のカーズ。遊びでニルヴァーナに来てみればこれほど面白い玩具に出会えるなんてね……」
額から流れる血を拭ってその指を舐める仕草だけで、強烈な威圧感を感じる。
「でもいきなり御挨拶だったわね。自分の血の味を思い出したのは神魔大戦以来よ。まさかあんな規格外の魔法であの塔を破壊するなんてね……、フフフ、アーハッハッハ!」
相手の威圧に負けじと一刀に戻したニルヴァーナを強く握る。そしてアヤとイヴァを後ろに下がらせる。
「あんたが原初の七色の魔神の一人の紫か。さっきの通信でヴィオレとか言ってたな。地球にいたんじゃねーのかよ? こんなとこまで何しに来やがった?」
「もう地球には神はいないわ。勿論架空の宗教もね。それを基盤にした国々も沢山あったみたいだけど、さあどうなったのかしらね? もう興味はないわ」
「あの世界には宗教で成り立っている国々も多く存在します。それが無くなったということは地球は無法地帯に成り下がっている可能性があります。何ということを……」
「アハハッ、元々あなた達神族がその役割を果たしていたのよね? でも残念、その神々も私達が全て消し去ってあげたわ。まあ、中には何とか逃げおおせた者もいたみたいだけど、どうせ『神の墓場』で大人しく眠っているわよ」
「『神の墓場』?! 何だそれは……?」
「さあ? 私が知っているのはそこに堕ちた神が出てくることなど二度とないと言うことよ。『大いなる意思』が管轄している永劫の牢獄としか知らないわ」
やはり『大いなる意思』とやらは魔神側に味方している様だな。一体何がしたいんだ? いや、今ここにその七色の一柱がいる。こいつを仕留めれば情報ももっと手に入るかも知れない。生け捕りにするのは難しそうだがな……。
「さあ、もうお喋りはお終い。私に血を流させたことを後悔させてあげる。カーズ、あなたは気に入ったから連れて帰って私の愛玩人形にしてあげるわ」
やはりこうなるか、話し合いで解決できるとは思ってはいないがこんな奴が解き放たれたらこの世界の危機だ。他の七色までやって来たら手に負えない。ここで、仕留める!
「いいぜ、タダでやられると思うなよ。この世界で帝国を裏で操って好き勝手しようとした報いを受けさせてやる」
「そうです。この世界の管轄者として、そして神としてあなたの好きにはさせません!」
アリアも俺の横で
「先手必勝! いくぜ、輝け俺の神気よ!
頭上に構えたニルヴァーナを一閃する!
パアアンッ!!!
極光の一撃がヴィオレの右掌で軽く防がれた。嘘だろ……、アストラリア流の奥義がこんなにも簡単に防がれるとは……。
シュウウウゥゥゥゥ……
「へぇ、これがあなたの最大の技かしら? でもダメね、借物のスキルを奥義にしてる時点で。まあそれでも掌が焼け焦げるくらいの威力はあるのね。フフッ、面白いわ! 四対一だし、私の技を魅せてあげましょう。さあ受けなさい!
ピイィーン!!!
「ぐあっ!? これは?!」
「体が勝手に……?」
「操られる?!」
「どうなってるのさー?!」
ヴィオレがかざした両手の指から微かに光る糸の様な物が見えたと思った瞬間だった。俺にアリア、アヤとイヴァの身体が操り人形の様に吊り上げられ、身動きが取れなくなったのだ。
「な、何だこれは!? 身体が言うことを聞かない!」
「
マズい、奥義を止められたことで一瞬気が動転した隙を突かれた。このままでは為す術もなくやられる! 原初の魔神、やはりとんでもない実力だ……。
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圧倒的な力を見せるヴィオレ。
どう闘うのか?!
続きが気になる方はどうぞ次の物語へ、♥やコメント、お星様を頂けると喜びます。執筆のモチベーションアップにもつながります!
一話ごとの文字数が多いので、その回一話でがっつり進むように構成しております。
今回のイラストノートは此方、
https://kakuyomu.jp/users/kazudonafinal10/news/16818023213273433012
そしてこの世界ニルヴァーナの世界地図は此方、
https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/d5QHGJcz
これまでの冒険と照らし合わせて見てみて下さい。
そして『アリアの勝手に巻き込みコーナー』は此方です。
https://kakuyomu.jp/works/16817330653661805207
アリアが勝手に展開するメタネタコーナー。本編を読んで頂いた読者様は
くすっと笑えるかと思います(笑)
そして設定資料集も作成中です。登場人物や、スキル・魔法・流派の解説、
その他色々とここでしかわからないことも公開しております。
ネタバレになりますが、ここまでお読みになっていらっしゃる読者様には、
問題なしです!
『OVERKILL(オーバーキル) キャラクター・スキル・設定資料集(注:ネタバレ含みます)』
https://kakuyomu.jp/works/16817330663176677046
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