第3話 探索者登録
第3話
「来ちゃった………」
結局、俺は【ダンジョン】に来てしまって居た。
正確には【ダンジョン】を管理する探索者ギルドの施設なのだが………
「ひっひっふぅ………落ち着け、落ち着くんだ、俺!!」
俺は呼吸を整え、覚悟を決める。
これから向かってやる事は探索者登録だ。
そこで書くべき書類に目を通し、必要事項を書き記し、受付の人とちゃんと会話する。
これだけの事だ、誰だって出来る、俺にも出来る事だ。
なぁ、そうだろう?
よし、いざ探索者の道へ────
「ひっ、あの、その、た、たた、たたた、探索者と、登録、お願いしまシュ!!」
拝啓、天国に行ったであろうペットのタマ、ミケ、クロ。
────初日から、俺はダメダメみたいです。
☆☆☆☆☆
ギリギリまで頑張り、ギリギリまで踏ん張ったお陰で、何とか探索者登録の話は進んで行った。
まぁ、これに関しては受付のお姉さんのお陰だろう。
「ゆっくり、ゆっくりで良いからね。貴方のお名前は?」
とか、焦らない様に言ってくれたり………
「佐藤 太郎様ですね。よく言えましたね、偉い偉い♡」
と、褒めてくれたり………
「かしこまりました。では、この水晶玉に触れてください。」
「ひゃ、ひゃい!!」
「大丈夫ですよ、私がついてますから♡」
と、俺の手を握って、水晶玉へと誘導してくれたり………
────あれ?
最後のは別に必要じゃない様な………
────まっ、良いか。
「この水晶玉は探索者登録する方達のスキルを鑑定する事ができます。良いスキルが出ると良いですね。」
「ひゃ、ひゃい!」
「フフ、カワイイ…………おっと、結果が出たみたいですね。」
よ、良かった。
ちゃんと俺でも結果が出■■■■■■■■
────────────────────
ちゃんと俺でも結果が出たみたいだ………
「あれ?」
「へ?」
な、何かあったのか?
何かお姉さんが困った様な顔をしている様に見えるんだが………
「き、気の所為かしら?」
「だ、大丈夫でひゅか?」
「あっ、大丈夫ですよ。佐藤 太郎様のスキルは【
【硬熱化】?
来る前に一通り今までに確認されてるスキルは調べてきたんだけど、そんな名前のスキルはなかった様な………
「鑑定によると、身体を硬化させたり、熱や炎を操るスキルの様です。」
へぇ、よく
「珍しい複合型のスキルな上に、新種のスキルですよ♡おめでとうございます♡♡」
「ひっ、あ、ありがとうございまシュ!!」
取り敢えず、良かったみたいだ。
何だかこんなクソみたいな俺でも、探索者がやれる気がしてきだぞ!!
「ふふ、では佐藤 太郎様。貴方はこれにて正真正銘の探索者となりました。よい探索者ライフを過ごせる様に祈ってますね♡」
「ひゃ、ひゃい!が、頑張りまシュ!!」
よし、辛くて面倒な
早くダンジョンに潜らなきゃ────
「佐藤 太郎様!!身分証明にもなる、探索者証を受け取るのを忘れてますよ!!」
「しゅみませんでした!!」
勢いよく受付のお姉さんの所へ戻り、俺は全身全霊で土下座した。
こうして、俺が探索者になって初めてし事は土下座となったのだ。
続く
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