勇者?辞めときます。
にゃ
第1話 僕は僕を殺した。
よく自分の人生の主役は自分だなんて言うけれど、僕はそうは思わない。
なぜなら僕は人生という名のドラマのただの脇役でしかないからだ。
自分の人生ですら主役になれない僕が、当然この世界のメインシナリオに参加できる訳もなく、ただ呆然と今を生きていた。
「おらあ!」
と怒鳴り声を上げてクラスメイトを殴って居るのが僕、、ではなく、その横で殴られているクラスメイトを見て笑っているのが僕、、でもなく、ただ見て見ぬふりをしているだけなのがそう、僕、では無い。
うん。
殴られてるのが僕、
そして僕を殴って楽しんでいるこの最悪な男が
「なあ日野ォ、今日までに10万持ってこいって言ったよなあ!?」
と怒鳴る荻原、そんな無茶ぶりに謝ることしか出来ない僕、ああ、情けない。
でも、そんな事もうどうでもいいんです。だって今日、僕は死ぬんだから。
ずっと考えてた。
なぜ僕はこんな世界なんかに生まれて、何を成すために今を生きているのかって。
でも、その答えも出せないまま、僕の人生は幕を閉じる。
いや、もうとっくに答えは出てたんです。
僕は僕の
いつもの放課後のいじめが終わると僕は走って家に帰った。
なんでだろう、今日のいじめは全然辛くなかった。
むしろあいつらのこの先の人生を考えると笑いすら出そうになった。
だってあいつらは僕をいじめて自殺まで追い込んだ奴らだ。
きっと法が彼らを許しても世間が彼らを許さないだろう、そうしてずっと苦しんで生きていけばいい。
そんな思いを込めながら僕は彼らにされて来たことを遺書に書き、そしてテーブルの上に遺書を置いて屋上に立った。
もうこれで思い残すことは無い。最後にあいつらに仕返しが出来たんだ。
清々しい気持ちで死ねる。何も思い残すことは無い。。
なわけないだろ!!!
なんで僕が死ななきゃいけないんだ!!
何であいつらが死なないんだ!!
ナンデ!!どうして!!
やっぱり死にたくない、、
死にたくなんてないよ、、
でも、もう嫌なんだ。
痛くて苦しいのは、
辛くて涙が出るのは、
だから、
僕は僕を殺した。
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