第5話
帝都の地に足を踏み入れた青藍は目の前の光景に驚きを隠せずにいた。
自分の目を疑いたくなるような代物が先を争うようにして瞳の中に飛び込んでくる。
どこを見ても知らないものだらけだ。
青空で染めたかのようなドレスで着かざる女性
しわ一つない蠟色のスーツを着こなし、ステッキを高鳴らす男性
純白のフリルがついた洋服を着る目の青い人形を持つ子供
見るからに上等そうな服を着る人ばかりだ。
しかも、彼らは動きさえ洗練されていて隙がない。
村とは違いすぎる街や人々の様子に感嘆していたその時...
『ジュッ!!』
左手が燃えるような感覚がした。
(熱っ!)
あまりの痛みに声すら出ない。
青藍は不覚にも涙目になっていた。
ちらりと左手を見るとすでに赤く腫れだしているではないか。
(うっ、こんな時に。もう…!)
これは病院に行った方がいいレベルなのだろうか。
痛みに耐えながらあれこれ考える。
ざくざく、ざくざく...
自分の方へと規則正しいリズムで近づいてくる足音がした。
遠くから来るようだが、あっという間に近づいてくる。
「きみ、大丈夫か?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます