偶像崇拝
【天堂會】と天津甘栗
偶像崇拝1
〈あなたの暮らしに安寧を、神はいつでも傍に寄り添っておられます───祈りによって毎日に充足を与え、心穏やかに過ごすお手伝い───天堂會〉
「またこのチラシかよ…」
記載された名前は【天堂會】。
「そのキーホルダー、
「キーホルダー?」
「うん、【天堂會】のやつ。もっと可愛いマスコットみたいな神様だったけど」
チラシを受け取った
キーホルダーは若年層にウケるようにと相当デフォルメされているらしい。
「
「してない。可愛いから持ってるだけだとおもう」
「可愛いか?これ」
「全然。でもキーホルダーは可愛かったよ」
【天堂會】は九龍で急激に勢力拡大している新団体で、耳にしたこともないよくわからない神を中心に据えている。
が…聞くところによると‘お祈り’の効果は抜群だとか。もちろんお布施が多いほうが効果はあがって、具体的には縁切りに特化しているようだ。
神に祈れば──というか、お布施を積めば──悪縁がすぐに切れる。
金の
「縁切り特化って、
実際キーホルダーを持っているくらいでは何の加護も望め無いのだが、
まぁ
「あれ、まだ誰も来てないの?」
その声に
だが、どう見ても量が多い。
「多くない?」
「え、そうかな?みんなで食べたらむしろ足りないかなって思ったけど」
「みんなって誰だよ、てかそもそもお前何してるの?散歩?」
既に立ったまま栗を食べ始めている
「
「ほんとに‘みんな’じゃねぇか」
集合場所の店主である
おそらく
「
「さぁ?話聞いてほしい、って……トラブルかな」
「ていうか、
お茶の用意をしようと戸棚へ向かう
確かに
となると、この場───【東風】に何か個人的な用事があるのだろう。
「いや、博打の負けバックレてるだけ」
質問と回答の内容に大差はなかった。
「あ、栗食べてる!」
ほどなくして、明るい声と共に
その後ろからついてくる
「おう
「なんでなん、また金返しとらんのか。はよ
「で、何があったの?」
素早く栗の一番近くのポジションを陣取った
「【天堂會】って、潰せへんかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます