第2話 境界の人

自分の星座が何であるかと聞かれた場合、たいていの人は自分の星座を答えることができると思います。

でも中には、実は詳しく知らないんだよね、という人もいるのではないでしょうか?

占星術に興味が全くなくて自分の星座を調べたことがない人はともかく、大体の理由は調べる方法によって、自分の星座が変わってしまうというものではないかなと思います。

そう、星座と星座の境目に産まれた人たちです。


星座と星座の境目の人は、月にもよりますが、だいたい月の19日ぐらいから23日までくらいの産まれの人を指すと思います。

そもそも星座というものを指すのは、その人が産まれた時に、地球上から見て太陽が架空のサインといわれる場所を移動していると考えた時に、太陽がどのサインを進んでいるかで決まります。太陽星座ともいわれています。

サインの名前は、黄道十二星座の名前と同じです。おひつじ(♈)・おうし(♉)・ふたご(♊)・かに(♋)・しし(♌)・おとめ(♍)・てんびん(♎)・さそり(♏)・いて(♐)・やぎ(♑)・みずがめ(♒)・うお(♓)の12個から成り立っています。

この太陽星座を決めるサインと呼ばれる場所は12の場所に分かれています。円は360度ですから、1サイン当たり30度が割り当てられます。1年は365日ですから、太陽は大体一か月につき1つのサインを移動することになります。

サインとサインの境目の場所は、ひと月の19日から23日にあたるところで切り替わります。境目は月や年ごとに変わってくるのです。冬至や夏至もその境目の一つなのですが、毎年日にちが違うことからも、前後してしまうということがあるのだということが分かると思います。

情報番組や雑誌の占いコーナーに書かれている星座の日時合わせも、ざっくりとしたものしか書かれていません。一日のうちでサインをまたいでしまうこともあります。そうなると、同じ年の誕生日なのに時間がずれるだけで、太陽の入っているサインが変わってしまうことが起きてきます。同じ日に産まれたのに別の星座になってしまうこともあります。日にちが変わると同時に、太陽の入っているサインも変わってくれたら、こんなに便利なことはありませんがそうはいきません。

そのため、月の19日から23日に産まれた人は、自分の星座が分からない、または見る情報によって星座が違ってしまうということがおきてしまうのです。


では、星座(サイン)の境目に産まれてしまった人たちは、どうしたら自分の正しい太陽星座を知ることが出来るのでしょうか?


一番お手軽な方法として、西洋占星術の占いを無料でしてくれるサイトなどで確かめる方法です。そのようなサイトでは、まず誕生日などを入力してくださいという指示があります。それにならって入力していけば、よほど大雑把な振り分けをされない限り、あなたの太陽星座を正しく教えてくれることでしょう。それらのサイトは最初無料とうたっておいて、後々有料版をお勧めされる場合もありますので、あとは個人の判断にお任せします。


そして、一番本格的かつ確実に自分の星座を知る方法として、自分自身でホロスコープを作成してみるという方法があります。今はアプリなどで、簡単に自分のホロスコープチャートを作ることが出来てしまうのです。

まず、ホロスコープを作成するためのソフトやアプリなどを手に入れてください。無料のものがたくさんあります。アプリでなくてもネット上に無料で作成してくれるサイトがあります。

それを手に入れたら、そこで生まれた日にち、時間、場所などをできるだけ正確に入力します。大体のものには、緯度経度を入力するスペースがありますので、ネットで生まれた土地名を検索してください。ウィキペディアに記載されている緯度経度を、大まかなもので構わないので入力をしてください。もし、生まれた場所が日本以外であれば、その国のタイムゾーンに合わせて標準時間帯を変更してください。

そこまで入力すると、ホロスコープは出来上がってくると思います。あとはホロスコープを覗いてみるだけです。

そこで、太陽のマークを探し出します。ホロスコープ内で太陽は◎のような印で示されています。あとは太陽の入っているサインの位置で、自分の星座が分かるという仕組みです。


今は便利な世の中になりました。ネットで調べれば、自分の知りたいことをすぐに調べることが出来ます。一昔前では考えられないほど便利になっています。昔の占星術師たちは、依頼があればすべて手作業でホロスコープを作成していました。エフェメリスで星の位置を調べ、星の位置を計算してホロスコープを作成する、本当に手間のかかる作業を繰り返してみえたのです。

今現在、アプリやフリーソフトを使えば、誰でも占星術のホロスコープが作成できる世の中です。占星術を全く知らない人でも、ちょっとした手間で自分のホロスコープが作れてしまうなんて、昔の占星術師たちが知ったら、きっと驚くと思います。


ともかく、これで自分の星座を正しく知ることが出来るかと思います。

これで、自分の星座が分からなくて、間違った情報を信じてしまうことがなくなるかもしれません。

なんて言ったら、私の知っている境界に産まれた人は、はいはいと笑っていました。

案外、興味のない人にとってはそんなものなのかもしれません。

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