第二十七話 後方戦闘
「どうしたどうした第一王子そんな程度の腕じゃないだろうに」
「いやいや流石に君の相手はキツいさキオ」
ザイトは正面に見据えたキオに攻めたてられ防御にまわっていた。
キオの短剣のよる手数をかけた攻撃。
変幻自在に攻めたてるキオに対してザイトは必要がない所の防御を捨て急所だけを守りながら戦っていた。
短剣による小さな切り傷がザイトの体に出来る。
「そんな守ってばっかりじゃいずれ届くぜ」
これぐらいの切り傷なら治せる気に留めるな。
動けなくなるような急所の一撃が一番危険だ。
短剣の天才たるキオ相手に隙を見せてはいけない。
その小さな隙一つキオなら一瞬で見抜いてくる。
それにしても短剣に毒とか塗られてなくて良かったな、キオは自分の短剣の腕に覚えがあるからこそ純粋な剣技で決めようとする。
キオの短剣は業物ではあるがそれだけで特別なにかがある訳じゃない。
防御に全力を注げば俺の剣技でもキオ相手に負けることはない。
だが残りの二人が鬼門か。
「爆弾魔まだか?あんたを守りながらこの数の兵を一人で抑えるの流石に大変なんだけど」
「頑張ってくれフユイ。お前とキオの二人を巻き込まんような爆破の配合をしているんでな」
「なんで小さな爆薬持って来てないんだよ。ゼッテー使うじゃんか!!!私とキオは一対一専門だよ。集団相手にはあんたが一番適任でしょうが」
「私の魔法の爆薬はそこまで万能じゃないさ。それに扉の爆破する為に結構な爆薬と魔力を注ぎ込んだからな。爆破する為にいくらでも注ぎ込んでいいと言われたから楽しくなってやり過ぎた」
「アホかあんたは。戦えるなくなってどうするのさ」
「大丈夫さ、この程度の兵達相手に遅れをとるほどじゃない」
マズイ!!!
「全員下がれ!!」
「下がっても関係ない。調合完了だ爆破は連鎖する」
ゴオオオオオオオ
ゲムは試験管のような物に入れていた爆薬に自身の魔力込め目の前にいる兵達に対して投げ飛ばした。
「包囲網に穴が空いたな。フユイ!!!」
「言われなくてもいい突っ込むつうの」
フユイはゲムの爆破によって空いた兵達の包囲網の穴に突っ込み自身の解体用の得物で一人ずつ兵達を解体していく。
「解体ショーの始まりってことで」
そらそらそらそらそら。
疑似的にでも一対一になればこっちのもんよ。
解体用のデカい大包丁じゃ複数人の攻撃を防ぐのがむずいからな。
ガンガンおろしていく。
「どこが巻き込まんようの爆破だ。馬鹿みたいな威力で無理やりじゃないか。フユイ相手に一人で対峙するな!!!複数人であたれ」
「よそ見してんじゃねーぞ王子さんよ」
「ちっ」
流石にキオの相手をしながら兵達への指示はキツいな。
「さっきから俺の連撃を平然と避けやがって、それが直感ってやつか」
「全部わかる訳じゃないが死なない程度に立ち回れるほどだよ」
「相手にしているのは俺だぜ。相当だっつうのその直感はよ」
耐えることが出来るかはギリギリだな、他の戦闘が終わるまで待つしかないか、それかサリシア嬢が帰って来るのを待つか。
どうにかしてこの三人を崩すか。
どれにしてもこっちは時間が掛かるか。
時間を掛ければかけるほどに被害が大きくなってしまう。
なにか打開策を考えないといけないか。
◆◆◆◆◆◆
北門 正面入口
「あの三人組相手ならここの戦闘が一番早く終わりそうだな。二人とも頼んでいいかな」
「了解です。ビーダン王子」
「あの程度の奴ら相手に遅れをとるつもりはありません」
ビーダンは自身の護衛騎士と共に正面に見据えた敵に対して剣を構える。
「速攻で終わらせて他の援護に向かう。行くぞ」
◆◆◆◆◆◆
北門 左側地下通路
「あまり戦闘は得意ではないのだけど、あなた方二人の足止め程度はここに居る皆さんで協力すればできそうですね」
ラルクのがいれば倒せそうですが全体の援護に回る分期待できそうにないですから踏ん張りどころですね。
サリシア様が間に合うのが一番楽で最も解決策としても良いのでしょうけど、不確定的過ぎますからどうにかして足止めし続けましょうか。
「天才達の相手をするのは簡単なことではないでしょうけど、皆さん行きましょうか」
フィーリとビーダンも時を同じくして目の前にいる敵達との交戦を開始した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます