第二十五話 求める物
「ぐぬぬぬぬぬ重い〜〜。簡単に開けれないようにしてるのはいいけけど重すぎないこの扉」
あれからどんどん奥へと進んで行き第四門の扉の前にやってきていたサリシアは第四門の扉を両手で思いっ切り押してなんとか開けていた。
ゴゴゴゴォォォォォ
「ふう〜やっと開いたよ。それにしても凄い景色だね、さっきまでと変わりすぎだよ」
門の先にに広がっていたのはなにもかもが透明な景色。
上下左右の壁も地面もこれから進む先すら透明でいるだけで平行感覚がおかしいくなりそうな場所と化していた。
良く言えば澄んだ景色、悪く言えば何もなかもがなくなった場所。
「第三から居るだけで魔力その物の重さを感じたけど、ここからは目に見え出す程とは、水源自体がどれだけの影響力を持っているかわかるね」
いくつかの門で封じているからこそなんだろうね。
各場所の門で水源を封じてその門の中で溜まった魔力が広がってこんな景色になってしまっているんだろうけど、これが封じずに外に飛び出し続けていたら世界の全部がこんな感じの景色になってたのかな。
「進む道を間違えないようにしないとね」
と言っても階段を降りている感覚で下れば良いだけなんだけどね。
まだ第四門なのに純粋な力をここまで感じるとはそもそもこれは何なんだろうね?
魔力って名前がつけられたけど…………… うーん、やっぱり考えてもわかんないや。
サリシアは魔力の水源のある場所に進みながら魔力そのものについて考えていた。
自分達も使えるようになったこれは一体何なんのかと?
未だに詳しくは分かっていない特別な力。
なにも混じっていない純粋な魔力の塊は人の身に余る程の存在。
それこそ回復魔法では出来ない再生や蘇生すらも可能とする力。
死んでも蘇生すら出来る。
だからこそ純粋な魔力そのものを取りに行ってるんだけど聖女としてはなんて言うかって感じではあるよね。
でも使える物は使わないと。
怪物相手には特に。
魔力の水源はあまりにその力の影響力が凄まじいために封じているがリアラの怪物が現れた時に限りのみ世界共通で使用可能としていた。
奴らによって滅んでしまっては阿呆らしいからこそありだと。
怪物の確認がまだされていなくともその疑いがあればそれだけで使用しても良いと。
昔リアラの怪物だと疑いつつもいまだ確認が出来ないからと言って使わず滅んでしまった国々があったからこそなのだが。
まぁラルクの死の原因は怪物のせいじゃなさそうなんだけどね~。
向こうは大丈夫かな?
◆◆◆◆◆◆
北門 後方付近入口にて
ドドドゴゴゴゴゴゴ
「よっしゃー!!!爆破大大大成功〜〜〜〜」
「当たり前だ。誰が爆薬の調合をおこなったと思っている」
「別に誰でもいいじゃん。やることは変わんないんだしさ」
統一感のないバラバラな服装でまるで散歩でもしに来たかのような緊張感のなさそうな会話をする三人組。
この強襲の結果も当たり前だと言わんばかりに自分を誇示するような佇まいをして前に進み出す。
「四方向から一斉に仕掛けて誰が一番初めに水源に着くかの勝負だと言うのに右側を担当するのあの二人組は不参加か?」
「別に俺達だけでもいいんだけど面白くなくなったね。どこでなにしてんだか?」
「あの二人はいいじゃん連邦と連合相手に負けてんだし」
「それもそうか」
「さて、水源をもらっていこうか」
サルマニア北門にて始まる抗争。
この抗争には死が漂っていた。
味方も敵も。
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