逃げろ!チキン南蛮が、追ってくる!ファンタジーな会社バトルは、変な会議から~

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 異世界で、チキン南蛮に呪われています。だからなのか、謎の「シシャ」会議に出るよう言われました。コスパ、悪すぎ

 異世界的ファンタジーは、楽しいことばかりじゃないぞ。

 会社の課長には、いつも怒られる。 

 俺は、ガルガスタン社の新入社員ザエボス。

「おい、ザエボスはいるか?」

「ふぁっ?課長、チキン南蛮っすか?」

「何だと?」

 また、怒られた。

 相当、根に持っているな。

 この前、課長にこう言われてさ。

「おい、ザエボス?腹、減ったよ。金やるから、何か買ってきてくれ」

 チキン南蛮を買って持っていったら、あっさりと怒られたんだよ。

「…こら、ザエボス!俺は、チキン南蛮、好きじゃないんだよ!」

 ムカッ。

「そんなの、知るか!」

 って、大声出してさ。

「すみません、課長!声をあらげちゃいました」

 思わず言ったらまた、怒られるし。

「バカ野郎、ザエボス!」

「はい?」

「あれは、本来は、声をあららげるって読むんだぞ?」

 …そうだったのか。

「ザエボス!お前、修業をしてこい!」

「…へ?」

「我がガルガスタン社で開かれるシシャ会議で、修業してこい!シシャの、代表としてな」

 ふうん。

シシャ。

 シシャ会議?

 一体、どういう意味なんだ。

「じゃあ、頼んだぞ、ザエボス?シシャの、代表としてな」

「…あ、はい」

 とりあえず、生返事。

「良いか、ザエボス?会議は、たくさんのシシャから、1人ずつくらい社員が呼ばれて開かれる」

「…あ、はい」

 会議は、とある町の、とある湖の近くに建てられたとある家で開かれるという。

 ククク…。

 俺は、負けない。

「ファフニール」を、手にとりたくなる気分だぜ。

「ファフニール」っていうのは、俺の持っている剣の名前だ。

 たまに、会社まで変な問い合わせがくる。

「ファフニールを、ください!最近、口臭に、悩んでいるんです」

 きっと、何かと勘ちがいしている。

 ククク…。

 それは、良いか。

 そして、翌日の朝。

「コトン」

部屋の玄関先に、黒い色をした、A4サイズほどの封筒が届けられた。

「ザエボス様へ」

 はっきりと、プリントアウトされた字。

まちがい配達では、なさそう。

 「愛のシシャ会議へ、いらっしゃい。ガルガスタン本社事務局より」

 はて。

「…何、何?この会議にきて修業すれば、あなたのきらいな人を踏み超えるほどのパワーを手に入れられるようになるでしょう、だと?」

 異世界の呪いは、深すぎる。

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2024年11月24日 21:00

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