2:異能
母「えっ!?ちょっと!光ってない?光って!!」
父「光ってる!光ってる!」
♪ファーーーーーーーーン
母「あっ!ファーンって音した!ファーンって!」
父「聞こえた!オレにも聞こえたぞ!ファーンっていった!」
両親がものすごく興奮しているが、当の本人が興奮しないわけがない。これまでの人生で一番興奮しているが、あまりにも興奮し過ぎて思考がまったく追いつかないし、動揺し過ぎて自身の感情すらつかみきれない。
時間にして数秒の出来事だったと思うが、あまりにも衝撃的な出来事のためにしばらく放心してしまった。
母「ちょっと洋!大丈夫!?」
父「気分はどうだ?おかしなところはないか?」
「うん・・・身体は・・・うん何もない普通・・・普通だよ」
「気分も・・・普通だ、さっきまでとまったく変わらない」
その後はあれやこれやとそれはもう大騒ぎで、母は既に結婚した2人の姉に速電し2人の姉も画像通話で参加して、その夜は冴内家過去最大の大騒動になったのであった。
そんな一夜明けて次の日、皆一様に眠たい目をこすりつつ、父は出社し自分も専門学校に向かった。
自分が通っている専門学校はコンピューター関連の学校で、周りに親しい友人と言える程の付き合いはない。なので当然自分から実は昨日ギフトを授かったなどと言うこともなかった。
そんなわけで昨日のことなどまるで夢物語だったかのように、まったくもっていつも通りに授業を受けて帰宅した。
帰宅してみると玄関に見慣れぬ革靴がいくつかあった。すると母が出てきて自分への来客だと告げてきた。
ゲートに関連する世界的な機関の方と役所の方、さらにゲートシーカーの方の名刺をもらった。
実は昨晩一家全員でネットで情報収集し、ギフトを授かった人はどういう状況になるのか調べたので、この方々の来訪については驚くことはなかったのだ。
「ではまず早速ですがギフトを確認させて下さい」とゲートシーカーの鈴森と名乗る方が言ったので「分かりました、でもどうすればいいですか?」と言うと「どちらでもいいので手を出してください」と言われたので、左手を差し出してみると自分の手の甲に被せるように鈴森さんの右手がかざされて「それでは拝見します」と同時に鈴森さんの手が光り輝いた。
すると自分の左手の上の空間にとても鮮明に映像が映し出された。そこにはハッキリと見ることが出来る文字で以下のように書かれていた。
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冴内 洋(さえない よう)
20歳男性
スキル:チョップLv1
称号:初心者チョップ
-------------------
すごく鮮明に映し出されていることに妙に感銘していたところ、機関の方、役所の方、鈴森さんが目を丸している。
三人とも驚愕といってもいい表情で、ようやく機関の方が「鈴森さん・・・コレ・・・は一体どういう・・・?」とようやく絞り出すように言葉を発したのだが「いや、私にもこれは全く・・・初めて見ますこれは・・・」と鈴森と名乗る方は若干かすれ気味の声で言った。
そんな二人の発言で映像の鮮明さに感銘していた自分は我に返り「えっ?何か・・・その・・・問題あるのでしょうか・・・」と一気に不安になったところ「通常ではこういう具合に表示されのですが・・・」と鈴森さんは左手を掲げるとやはり手の上に映像が映し出された。そこには以下のように書かれていた。
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鈴森 健一(すずもり けんいち)
43歳男性
HP(生命力):143
MP(魔法力):0
攻撃力:17
防御力:33
魔法能力:0
素早さ:12
異常耐性:8
魅力:9
幸運度:6
スキル:鑑定Lv10
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機関の方が「鈴森さん、これは冴内さんの何かしらの能力でステータスが認識されないとかいうことでしょうか?」と言ったが「それはない・・・とは言い切れないですが、一応私の鑑定レベルはこれまでの歴史上でも最高値ですし、それこそ歴史上まったく前例のないことです」と言った。
これは一体どうしたことか・・・またしても昨日同様、衝撃的な発言とこの状況に頭も感情もついていけず完全に思考停止状態が続いたのであった・・・
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