蛇陀カラメコラボpart7
「改めて考えるとレクサスの好物って渋いですよね」
「アメリカ人とは思えないよね」
コメント欄
:まあそうやな
:中身はゴリッゴリのアメリカンなんやけどね
:レクサスの舌は60代だからな
:味覚は爺よな
「コメントでも言われてるけどレクサスの味覚はほんとにお爺ちゃんだよ」
「会ったことあるんですか?」
「あるよー。レクサスが日本に来た時に顔合わせしたんだ。そして流れでお昼を食べることになってね。その時レクサスが頼んだもの何だったと思う?あ、これ問題にしちゃお。第19問!」
今思いついたばかりのことを問題として昇華させてしまった。雑と言うかなんというか。まあ今だけは柔軟な発想と褒めてあげるか。
レクサスの好みは結構日本人に寄っていると思う。俺も詳しく知らないのだが、あまり脂ぎった物は食べられないとかなんとか言っていた記憶がある。この情報だと味覚が日本人に寄っているというよりかは爺そのものなのだが。
でも、おでんが好きと言うくらいなのだから滋養がある食べ物とか、うまみのある料理とかなのだろうか。出汁とか取っている物だと尚良しとか?
なんだかんだと考えてみたが、カラメさんから与えられた情報が少なすぎる。
もう少しヒントが欲しい。
そう思ったのでカラメさんに言ってみることにする。
「いや、情報が少なすぎますよ。せめてどんな店に行ったのかとか教えて貰わないと」
「それもそうだね。ボクたちが行ったのは ショッピングモールのフードコートなんだよね。だからそうだなー、そこにあったお店から絞って5択問題にしようか」
「ショッピングモールに行ってたんですか。何してたんです?」
「ボクのマネージャーとレクサスで一緒に企画に使う物を買うついでにショッピングをしてたんだよ」
「楽しそうですね」
レクサスの身長は187cmと聞いているのだけど、さぞ目立ったことだろうと思う。
レクサス自身ががっちりとした体型なのか、それとも華奢なのか知らないが、縦に長いことは事実なので目立つ。
そんなほっこりする話はさておき、肝心の5つの選択肢をカラメさんが言っていく。
「1つ目、カレー。2つ目、トンカツ。3つ目、うどん。4つ目、海鮮丼。5つ目、そば。さあ、どれだと思う?」
カラメさんが提示した5つの選択肢は、メニューで言えば極々ありふれた物だ。どこのショッピングモールのフードコートにもあるだろうし、パーキングエリアにも絶対にあると言えるようなラインナップ。
そして大体和食だ。考え方によっては全て日本食と言える。
カレーは日本で独自の進化を遂げているから、本場インドの物とは全然違う。ほとんど別の食べ物だし、それ以降の料理はまあ和食だろう。誰がどう見ても。
一番ありえなさそうなのはカレーか。そして二番目にないだろうと言えそうなのは、トンカツだろうか。先ほども言ったが、レクサスは脂ぎったものが得意ではない。それ以外の3つは全てあり得そうなんだけど。
「…………うどん、ですかね」
なんとなくそう思った。
おでんとうどんの共通点は出汁を取っていることだが、まあ蕎麦だって温かいやつなら出汁取っているだろうけど。でもなんとなくうどんな気がした。
俺がそう答えると、カラメさんは感心したように口を開いた。
「せいか~い。よく分かったね」
「ほとんど2択でしたよ」
「うどんかそばかってこと?」
「そうです」
俺がうどんだと思った理由は、なんとなくうどんの方がおでんに似ていたからだ。むちゃくちゃ主観的な偏見だけど。
そんな旨をカラメさんとリスナーに解説したら、カラメさんに笑われてしまった。
「でも好みが完全にお爺ちゃんって感じしない?」
「でもうどんは美味しいですよ?」
「それがね、レクサスが頼んだのってかけうどんとおむすびなんだよね」
コメント欄
:うまそう
:分かってるじゃないか
:最後、スープと一緒におむすび食べたんやろな
:飯テロやめてもらっていいっすか?
:あかん、腹減ってきた
:うどん食いてー
「うまそうっすね」
「うん。彼、すごく美味しそうに食べてたよ」
「うわいいなぁ。ま、レクサスが子供舌ではないってことは確かですね」
出汁が取れた汁と一緒におむすびを食べるって、それだけでなんだかもう満足だよね。お茶漬けじゃん。
本場のアメリカ人がそれだけで満腹になるのかと疑問に思ってしまうが、よく考えたら炭水化物オン炭水化物だし、アメリカ人が無条件で大食いなわけじゃなかった。
というか、なんだかほっこりするエピソードだなあ。
と、配信が穏やかな雰囲気に突入したかと思ったら、カラメさんが一刀両断してしまった。
「第20問!!」
「うるさ」
コメント欄
:うるせぇ
:イヤホンワイ、耳死ぬ
:成仏してクレメンス
:マジうるせぇ
:びっくりするわ
:うちのイッヌが飛び起きてしもうた
あーあ。折角緩い雰囲気だったのに台無しだよ。
いやまあいいけどね。このままだったら寝てもおかしくない雰囲気だったし、これ寝落ち配信じゃないからさ。
「ボクがVtuberデビューしたのは何月何日!?」
「え、知らん」
「えええええええええええええ!!!!!!!」
「うるさいなぁ」
「うるさいなぁじゃないよ!ちょっと傷ついちゃったんだけど!?」
「なんで知ってると思ったんですか。自意識過剰では?」
「グッハァ!」
血反吐でも吐いたのかな?
さて、カラメさんが特大のダメージを食らったところで告白しますと、実は俺、カラメさんのデビューの日にち知ってるんだよね。
まあついこの間までは知らなかったけど、コラボすることになったし、コラボ相手のことを少し調べてみたんだよ。その時に知ったんだけど、今ちょっとド忘れしていまして、頑張って思い出している最中なのです。
コメント欄
:草
:草
:カラメ不憫で草
:言葉の刃物が突き刺さっております!
:殺傷能力SS
:火の玉ストレートで草
:草燃えるぞそれ
「あーはいはい。6月8日ですね」
「ち、CHIZUくん……」
「今思い出しました」
「忘れてたの!?」
「はい。さっきまでマジで忘れてました。折角調べてきたのにもったいないことになるとこでしたよ」
「調べてくれてたんだ……。っていうか、もったいないって何?なんか失礼じゃない!?」
いや、だって折角調べたのに分からないってかなりもどかしいよ?誰でも共感できると思うけど、学校のテストに出てきた問題が「あーこれなんか記憶にある。勉強したはずなんだけど答えが思い出せねー!」ってやつ。あのもどかしさはほんとに悔しいからね。
コメント欄
:なんか分かるわ
:テストの答えが分かりそうで分からないやつと同じか
:あれマジ嫌い
:あのもどかしさは異常
:あれがなければ90点だったテストとかあったわ
:↑誰だこいつに隙を与えたのは
:隙自語レベル100
さて、これにて20問全てを答えたことになるが。
「てってれー!」
「それ自分で言うんですか」
「CHIZUくんの正答率は20問中12問。まずまずの結果だねぇ~」
「ガン無視ですかそうですか」
「いやごめんて。さて、もう結構いい時間だね。そろそろ解散のお時間かな?」
「そうですね。結構楽しかったです」
初っ端の暴走とかは考えないことにしよう。
まあでも、なんだかんだで楽しかったし有意義な時間だった。忘れてしまいそうになるが蛇陀カラメと言ったらこの界隈ではトップに君臨する人だ。そんな人とコラボできたのは貴重な時間だったし楽しかった。
「じゃ、解散と言うことで。ここまで見てくれてありがとう!では今日の配信はここまで。おつへび~」
「おつへび~」
コメント欄
:おつ!
:おつへび!
:おつへび!
:乙!
:楽しかったで!
今頃、たくさんの労いのコメントが流れているのだろう。しかし、1つ言わせてほしい。
「結局俺は最後までコメント見れてないんですね」
「あっ」
※この配信は終了しました
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