50枚目『美味しい狐 ―狐霜扇(こそうおうぎ)―』

 狐色きつねいろの土壌、冬になると至る所で見られる霜柱しもばしら、そしておうぎのような三角州の上に発展した街、狐霜扇こそうおうぎ


 大きく発展した街の道は舗装され、霜柱も狐色の土も見られなくなった。ただ、狐色のアイデンティティは今もこの街の様々な場所に息づいている。例えば、石畳の色とかがそうだ。


 正方形で狐色の石畳とその間の雑草や雪を見ていると、その色形からある食べ物が思い浮かんでくる。


 実はきつねうどん、この街のソウルフードだったりする。

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