37枚目『モノクロの厳冬 ―カプキア=フォルノン―』

 雲にさえぎられて星の光が届かない吹雪ふぶきの夜に、ランプで窓の外を照らしてみる。ともしびの光は吹雪と積雪の白を照らすが、光で切り取られていない場所はすべてが漆黒の闇にまれている。


 昼は白と灰色、夜は漆黒の世界。


 私がいる場所は厳しい冬の中に閉じ込められ、色彩を奪われた冷たいモノクロ世界が広がっている。


 ……この世界は、他にも豊富な色があったはずなのに。


 まるで温かみのない、昔の写真の世界の中に取り残されてしまったようだ。

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