夢見る子羊達よ柵を超えどこへ行く
ハッピーさん
夢見る子羊達よ柵を越えどこへ行く:まとめ
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3/27
我ながらにして今日は最高の日だったと思う。俺は昔からダメな奴だった、何やっても失敗するし人を気にかけようとしても大抵裏目に出る。
だが、この仕事だけは自分の才能というかそんなもんを活かす事が出来てここで仕事を初めてからがとても毎日楽しかったし、そのためにたくさんの努力をして来た。
今日やっと俺に一匹のUMAを代表者として管理を任されのだ、たくさんの仕事や書類などで優秀だったからだそうだ。一匹のUMAだけとはいえ代表者になるのはかなり名誉なことだ、しかもこの仕事でも優秀な成績を残せれば仕事の地位も上がって給料がきっと上がるだろう。
アンジェリカはアルコールの中毒で死んじまった父親の借金で苦しんでいる。今アンジェリカは仕事をしながら借金を返している、勿論俺も給料をアンジェリカの借金返済の為に渡しているが、給料も上がればアンジェリカを安心して養ってやることもできる。取り敢えず明日からは朝が早くなるだろう今日は少し早いが寝よう。
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Everybody has talent, but ability takes hard work. -Michael Jordan
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3/28
UMAの実験及び管理を始めてから取り敢えず一日目が終わった。
UMAの名前はFanatic Meat狂ったカルト教団が生贄を捧げまくった結果出来上がった代物らしい、随分と科学を否定した生命体だとつくづく思うがそんなもの日常茶飯事だそう言う生命体だからここにいる。
アレらは、感情というかそう言ったものは有るのだろうか?AIのように怒ると言う感情だけがただプログラムされた生命体なのか、なにかしらのことに怒っているのか...
だとしたらアレらというのは、失礼な気もするが...まぁ、どうだって良い。だが、かなり悲しいものだ。よく分からないイカレポンチの野郎どもに生み出されて挙げ句の果てにここに閉じ込められ毎日のように実験を繰り返されるというのは胸糞悪い。
まぁ、そう言う仕事だ気を切り替えよう。今週の日曜日にアンジェリカとデートでお祝いをすると言ってくれた、本当はサプライズが良かったらしいのだがきっと気付かれるだろうから言ってたそうだ。
本当に俺は幸せ者だ...
「今日はこのぐらいにしておこうまた明日も早いからな。」
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Every Abnormality may not have reason to exist, but have intention to exist.
LobotomyCorporation-SingingMachine
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3/29
今日も変わらず起きて、用意をして、仕事場に行き、実験をして、資料を整え、帰り、アンジェリカと電話をし、日記を書く
つまらなさそうに思えるが仕事は最も自分に合っているし、アンジェリカと電話をするのは楽しい。
そろそろ、アンジェリカに同棲の話を持ちかけたいが...私は臆病な男だ。そんなこと言うのには一週間かけないと決心がつかない。
日記を書き始めて何日目だろう
今遡ってみると今日で丁度100日目だった。特に何も無い日と思っていたがどうせだ記念日と称して少しだけ酒でも飲もう。カップ数杯程度なら二日酔いもないだろうしな。
「さて今日はここまでにして酒を飲んで寝よう。」
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Alcohol is the anesthesia by which we endure the operation of life.
-George Bernard Shaw
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3/30
今日は最悪の気分だ、もう酒を飲むのはやめておこう。今朝、起きたら俺の周りには酒のビンが3本ほど転がっていた。2本は空で一本は酒が少し床に溢れていた。
これだから俺はダメな男だ、仕事で上手くいっていたからと思って心酔していた。
しかも止めの一撃はこれだ、昨日酔っていた間に俺がアンジェリカに同棲の話を持ち掛けたらしい。今朝メールに「嬉しいわ、ありがとう。喜んで」と来ていた。電話をして昨日の俺の愚行に気付いたと言うわけだ。
彼女は「お酒は人の本性を露わにさせるのよ?いいじゃない?」
と優しく言ってくれたが、恥ずかしすぎる。こんなに恥ずかしいと思ったのはガキの頃に自分で作った落とし穴を確認しようとしてそのまま自分の穴に落ちて良心に何があったかを聞かれた時以来だ。
恥ずかしさに浸っている暇ではない、今の家は彼女がいつか同棲するかもと思って少し大きめの家に住んでいる。2人でも広いかもしれないが。できるだけ早急に片付けてアンジェリカが来れるようにしなくては。
とは思ったがくそっ、二日酔いが酷い仕事中は薬を飲んでいたからマシだがキレてきちまった。さっさと寝て体調を整えよう。
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Alcohol is the cause of all my problems.
-Jason Chandler Williams
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3/31
最近変な夢を見ているような気がする。しかも3日連続でだ、夢の内容はよく分からないUMAに街がどんどんと破壊されて行くと言うものだ...
説明がガバガバなのは夢だからあまり覚えていないと言うものもあるが、思い出そうとすると何か頭にノイズのようなものが走る感覚がする。疲れているからなのか、はたまたあのUMAの特性に近いものなのだろうか。
もしも今日また同じ夢を見たら明日他の研究員に聞くのと同じ種類のUMAが居るかどうかを調べよう。
今もう一度思い出してみると1日経つごとに夢の時間も長くなっているし、夢の内容が少しはっきりして来ている気がする。
一応これによって私が応答不可レベルにまでイカれちまっても大丈夫なように夢の内容だけは書いておこう。少し曖昧だがな
3/28
UMAによって街が破壊されていた。
気分は絶望のようなものだった。
3/29
UMAによって街及び人々が踏み潰されていた。
気分は同じだ。
3/30
UMAは大きな声で唸りながら街及び人々を踏み潰していた。3/28と3/29は確か音は無かった気がする。
気分は憂鬱に近かった。
取り敢えず今日も同じ夢を見たらここに書き記そう。
「今日はここまでにして寝るか」
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We are such stuff as dreams are made on, and our little life is rounded with a sleep.
-William Shakespeare
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4/1
昨日もまた同じ夢を見た。
職場の同僚や同じUMAの実験をしている奴らにも聞いたが特に情報は得られなかった。
夢のUMAのことも調べては見たが全くそう言ったものは見つからない。俺がただ疲れているから毎日同じ夢を見ているだけなのだろうか。毎日同じ夢を見ると言うのは潜在的意識からの警告とは言うが...
俺の潜在意識がお前は仕事を失敗して大変なことになるぞとでも言っているのだろうか、だとしても夢に対する記憶があまりにも謎めいたものとなっている。例えこれがただの疲れだとしてもこんな職業に就いているんだ。しっかり記録は取っておこう。
3/31
UMAは相変わらず人々や街を破壊している。だがまあとは違いUMAだけでなく人々の声も聞こえる。恐らく悲鳴だ。
気分は憂鬱、前とと同じだな。
そういや明日はアンジェリカとのデートか、楽しみだな。
あー、一応書いとくがエイプリルフールのネタとかじゃねぇからな。こっちは至って真剣だ。
「またあの夢を見ると思うともう憂鬱だな」
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Each night, when I go to sleep, I die. And the next morning, when I wake up, I am reborn.-મોહનદાસ કરમચંદ ગાંધી
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4/2
夢の話なんかぶっ飛ぶほどの幸せな日だった、それと同時に自分が少し情けなくなったがな。
今日彼女がお祝いをすると言ってデートをしたんだが...サプライズはもう無いと思ってたよ、バレるからもうしないって言ってたのに。バレずに彼女はサプライズを成功させたんだ。
結婚しようって彼女から言われたんだ、きっと貴方なら恥ずかしくて言い出さないでしょう?だってさ、自分が情けないよ。
だけど、とても嬉しいただその感情で心が今は満たされているよ。ありがとうアンジェリカ君に出会えて俺は本当に幸せ者だよ。
もっとまだまだ幸せな余韻に浸っていたいが、夢のことについてだけ書こう。
4/1
3/31の状態に加えて人々が逃げ回っているように見える。
気分は恐怖だった。
明日この夢について報告書を書いて提出した方が良さそうだ、確実にただの夢では無いと言う予感がする。
「アンジェリカ君を永遠に愛しているよ」
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A successful marriage requires falling in love many times, always with the same person.-
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4/3
今日はやけに体調が悪い、職場の同僚には頑張りすぎなのでは無いか?と言われたが特に立場が変わっただけで仕事の量に関してはあまり変化はない。まぁ、立場が変わったからこそ責任感で疲れてしまっているのだろうか...
夢のことに関しても資料をまとめて提出をしたは良いが、こういう仕事をしているのでやはり悪夢のようなものを見る人間は少なからずとも多いと言われてあしらわれた。
やはり嫌な予感はするが...本当にただ俺が疲れているだけだからなのか。今度また有給を1日だけでもとってガキの頃風邪を引いた時母さんがやってくれた様にココアを入れてベッドで一日中寝よう。
一応夢のことは書いておこう
4/2
前の日の内容に加えあたりは火事や爆発が起こっていた。
気分は戻って憂鬱だ
「熱もないんだがなぁ」
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It does not matter how slowly you go so long as you do not stop. -Confucius
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4/4
こんな形で休養を取ることになるとはな。
今日、俺が管理をしているあのUMAが発情中の猫みてぇに不満そうに鳴くから少しだけ近くによったらいつもは蠢いてるだけなのに俺に掴み掛かって小さな爆発を起こしやがった、
防護服を着てたから皮膚の火傷と少しの体の損傷で済んだが、数日療養することになった。
自我があるかもとか言って同情してた昔の俺をぶん殴ってやりたい気分だ。
本来飲みたかったココアも火傷で飲むことができない、というか熱い飲み物は飲めない。
UMAに対しては本当に油断禁物だな、今頃はあいつもしっかりガラスの檻に収容されてるだろうさ。
アンジェリカにはこのことは言わないでおこう、心配はさせたく無いまぁ会えばバレてしまうが。
もう業務的になって来てしまったな、ここに書かなくても一応詳細なことは資料に書いてあるが一応書いておこう。
4/3
前日に加え数人の人間の詳細がわかる様になった、まぁ家族とか友達とかだな
気分は今度は恐怖だ。
寝起きは悪くなって来たがそれ以外はあまり変わらないな、やはりただの疲れだろうか?
「体がジリジリしていてぇな...」
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Humans need a smile. -Mother Teresa
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4/101
なにかがおか0110001っている言葉が時々分からなくな01110100101いに俺も頭がいかれちまっのだろ1001101がそれだけじゃ説明できないほどなにかがおかしい。
気分も悪い、身体の隅々が少しずつ塩酸で溶かされてるみたいにヒリヒリする。
あの爆発にはあまり良く無い効果も混ざあまり良く無い効果も混ざっている様だ。頭がゆらゆらと揺れている、ジェットコースターのあの感覚が背筋を凍らせる。
電話でこの事を伝えなければ、報告書にまとめないと...だめだ無限に届く気がしない、携帯は目の前に落ちてあるのにまるで谷底に落としちまった見てぇに遠く感じる。
こんな状態でも報告書や日記だけは書き続けられる、なぜだろろろらう。
もう、日記を書かなもやっとになって来た。それでも報告書は0110111られる。職業病と言うやつだろうか?なんか、複雑な気持ちたな.
今気づいた、というより今まではななんだったのかは分からないが立てないし歩けない。這いつくばルことしか出来ない、俺の人生はここで終わりなのだろうか。なんだが寂しく感じるな、アンジェリカに最後の別れを告げたかった。
もし誰かこの本をとったらアンジェリカという女性にこれを渡してくれ。そしてアンジェリカ、君を愛してい_____
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I stood yesterday. I can stand today. And I will not permit myself to think about what might happen tomorrow. -Dorothy Dix
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ここは何処だろう、またあの夢を見ているのだろうか。体が痛い血が出ている立ち上がらなければ...声を出すことも出来ない体外へと発することの出来ない痛みほど辛いものは無い。早くここから抜け出さない...
アンジェリカだ、下半身が上から落ちて来た瓦礫にしかれて立ち上がれていない。
助けなければ、立ち上がらなければ、早く向こうへ行かなければ、痛い、呼吸が出来ない、辛い、頭が回らない、声が出ない、待ってくれ、死なないでくれ、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
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Don’t spend time beating on a wall, hoping to transform it into a door. -Coco Chanel
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今見ているのは夢だろうか、現実だろうか。
目の前がぼんやりとただ滲んでいる。
幸い瓦礫は少し力を入れただけで手の甲が切れたがどれることが出来た、立ちあがろう向こうにはアンジェリカがいた早く助けてやらなければ。
アンジェリカは私のことを置いて行ってと言っている、そんなことできるわけがない瓦礫をどかさなけれ__________
私は恐らく天井から落ちて来た瓦礫にやって押しつぶされた...だめだ、彼女を死なせてはこの街をあのUMAに破壊されては...立ち上がらなければ、立ち上がらなければ...
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自分の力に合うことだけしろ、その他の事は、おのずと道が開けてくるまで待て。
-武者小路実篤
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また夢を見る体が軽い、いや心が軽いと言うのだろうか。足の上に敷かれた瓦礫は手を傷付けたがどかすことができた。
アンジェリカが助けを求めている、瓦礫に敷かれ倒れている。瓦礫をどけなければ瓦礫が重い持ち上げることが容易ではない、大きな声で生存者を確認する青年がいる。
助けを求めた一緒に瓦礫をどけアンジェリカを立ち上がらせることが出来た、強くハグし合い青年には感謝をした。
アンジェリカを安全な場所へ移動させなければならない、あのUMAから逃げなければ...駄目だ逃げてはいけない私達はそのUMAに立ち向かわなければならない存在なのだ。
アンジェリカを他の人々が保護されている施設へ青年に連れて行ってもらい、俺は研究施設へと行こうとする。あそこなら恐らくそれに対抗出来るものやその方法があるだろう。
それを軍などに渡し伝えなけれ_______
道半ばにして私はUMAによって踏み潰されてしまった...彼女を独りにしてはならない、この街をこの世界を救わなければならない...
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Why
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私は何を見ているのだろう、夢か現実か
今いるここは何処だろう、痛みを感じる夢では無いのか...?気づかなければ何かに、何かに...
そうだ、今見ているのは現実だ。私が現実だと思っていたのは今から1ヶ月前の日々を夢で見ていただけなのだ。
今はとあるUMAが暴走し街を破壊し続けていたのだ、
私は立ち上がり、夢の通り彼女を青年と助け保護施設へ向かわせ科学施設へ足を運ぶ。今度は倒れずつくことが出来た、、、そしてそこには
アンドリュー「お前のせいで夢を見ていたのか...」
Fanatic Meat「、、、なぜ、なぜお前達は恐怖から逃れることを良しとしない...」
アンドリュー「、、、守るべきものがあるからじゃねぇか?」
Fanatic Meat『愚かな...自分のことだけを考えていれば良いものを...」』
「駄目だね、」
アンドリューはそのまま進む
「俺は、この仕事に誇りを持っている。そしてこの仕事は人々が目を背けるものへ対抗してその人々を守る仕事だ。」
「誰もが目を背けたら、いずれ全て滅んでしまう...だから俺は目を背けず前に進み続けるんだ」
『、、、そうか』
俺は進み続ける。誰かがそうしなければならないからだ、眠って辛い現実から逃げはしない。さぁ目を覚そう
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Dreaming lambs, over the fence, where are you going? -Fanatic Meat
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