月に1度のチートデイ!
「今日は食うぞ……! 」
いつものように筋トレを終えたセクシャルは、目をバッキバキにしながらガッツポーズを決め、大食い宣言をした。
余計な脂肪をつけずに筋肉をつけるため、普段は割とヘルシーな食事を摂取しているセクシャル。
ローファットという油をあまり摂取しない増量方法をとっているので、美味しい揚げ物やスイーツなどを満足に食べることができないのだ。
しかし、1、2ヶ月に1回だけ何でも好きなものを好きなだけ食べられる【チートデイ】の日を設けることで、そう言った欲求を発散していた。
美味しくて体に良いという最強ドリンクのプロテインが存在しなければ、いくら脳筋のセクシャルであってもそのような質素な食事に耐えられはしないだろう。実は、それくらいカロリーの高い食事が大好きなのである。
「な、何を食べよう……いくら今日1日中好きなものを食えると言っても限界はある、慎重に選ばなければ……」
筋肉に支配されている硬い脳みそを一生懸命に動かし、食べたいものをノートにどんどんメモしていった。
メモなんかする必要ないだろと思うだろうけど、こうでもしないと忘れちゃうんだろうね。バカだから。
「テリヤキバーガーとダブルチーズバーガーは鉄板だろ? そうなると当たり前にポテトとナゲットも必要だ。あとはラーメンも食いたいな……豚骨の家系ラーメン。牛丼も食うだろ? あとはオニオンサーモン寿司、ウナギもいいなぁ。デザートはホ○ピングシャワーのトリプルで……」
一通りメモし終えたセクシャルは、最初にテリヤキバーガーとチーズバーガー、ポテトとナゲットを能力で生成した。
いや、改めて思うけど能力でいつでもジャンクフード作り出せるのに、よく我慢できるよなこいつ……。
その狂気の精神性こそ、年中駄肉のない絞れた美しい肉体を保ちながらも筋肉をつけるコツなのだろう。
実際、セクシャルはプチ減量と呼ばれる1ヶ月程度の減量しか行なっているところを見たことがない。まじ偉いな。今だけはほめてやろう。
「ゴクリ……!」
生成された熱々のハンバーガーセットを前にして、セクシャルは生唾を飲み込んだ。そして、もう我慢できねぇ……と言わんばかりの表情でテリヤキバーガーにかぶりついた。
「っ……! たまんねぇ……!」
そして、口にテリヤキバーガーの味が残っているうちにポテトを詰め込む。
良いよなぁ……その食べ方。口に残る甘じょっぱいテリヤキソースに、ポテトのホクホク感と塩味が合わさってもう……!
あぁ……いいなぁ……まじでハンバーガー食いてえ……! 俺にも食わせろオォォォォォォォォォォォォォ!
「やっぱナゲットはバーベキューソースで……カリッ!」
セクシャルに俺の言葉が通じるはずもなく。カリッカリに揚げられたナゲットにバーベキューソースをたっぷりつけて口に運ぶセクシャル。
よく響くナゲットの咀嚼音が、俺の空腹をさらに刺激した。
まだまだ、セクシャルによる飯テロハラスメントは終わらない。
バーガーを食い終わったら、一旦コーラで口の中をリセット。そして、次に家系豚骨のラーメンを生成し美味そうに喰らう。
あぁ……! とろっとろの味玉にプリップリで柔らかいチャーシュー……! それと一緒に麺を啜って咀嚼すればそれはもう……。
「ふぅ……うまかったぁ」
こ、こいつ……スープまで行きやがった! ニンニクマシマシのスープまで!
「次は……アイスでも行くかな。お! クレープにアイス乗せてみたりしたら!」
くそ!くそ!クソォ!
この空腹感に耐えるのが、普段セクシャルをジロジロと監視していることへの代償だと言えるだろう。
あぁ……辛い。謝るから……謝るから俺にも食わせてぇ……。
..................................................................
この日、セクシャルは5回食事を取った。その食事内容がどんなものだったかは、語らずともわかるだろう。
とにかく、数々の飯テロハラスメントを受けたストレスで俺は死んだ。
ハンバーガーを食いに地球の下界に行ってくるから、しばらくセクシャルの監視はおやすみさせてもらうよ。
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございます!
悲しいことに、こちらの作品がまったく伸びません。書いていて楽しい作品なので、できれば長く続けたいと思っております。
よろしければ、★★★やレビューのご協力をお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます