第29話
ロマンス小説。装飾品。伊達メガネ。活かした絵のマッチ箱。置き時計。手鏡。お菓子の美しい缶だけ。
これだけ見ると、なんだか私が恋愛小説読みながら、誰かから高額な遺品を受け継ぎ、時に伊達メガネで気分を変えて散歩し、活かしたバーで、これまた活かしたマッチ箱のマッチで葉巻か煙草を吸い、部屋の置き時計には助かっているけれど、文字がやはり数字じゃないので、オリエンタルなインテリアと化している。手鏡はお嬢様が持つみたいな、本当に手鏡タイプで重く、高そう。一方お菓子の箱の中には、何も入れてない。ただ美しいだけで、仲間だって食べたことがない。小銭だってぜんぶ持ち歩くから入れない。
完全に一人暮らし楽しみ始めてる人の部屋に近づきつつあるじゃん!
でも、そろそろ。
カーディガンが限界。
もしかしたら、これも100円で売られていた中古なのかもしれない。服は母に甘えてきた。たまに一緒に行っても、選んでいいのか、どれを選べばダサくないのか分からなかったからだ。
今まで100均とホームセンターと、現代サービスをサービスで披露し続けてきた。でもその度に向こうの水準も上がるのだ。
次があるなら、次が最後。これ以上、わたしに人々の生活の向上を提示、提供するのは難しい。
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