第2話

 5歳になった。いろいろなことがわかったから一度整理しようと思う。


 自分の名前はゼファー・クリミナルドで王国の伯爵家の3男で、側室の子供だ。まあ側室の子供だろうが魔法の勉強ができているので別にいい。本妻との仲も悪くないみたいでいじめられているということもない。住んでいる場所はクリミナルド伯爵領で王都の東にある。


 国は王国と神聖国の2国だけだ。神聖国は王都よりも遠くにあるので西にある。2国間で戦争は起きていない。新たに国ができることがあるみたいだが魔物とやらの被害で維持できなくて滅びている。

 意外なことに言語は1つだけだ。まあそのおかげで複数の言語を習得しなきゃ読みたい本が読めないなんてことがないのでありがたい。最近になって子供用の絵本を読めるようになったので情報収集が捗る。

 また、時間は1日24時間365日で四季もあるが前世に比べると夏は涼しく冬は雪が積もらないため暖かく感じる。


 3歳のころに母さんに魔法を教えてもらって使えるようになった。

 といっても安全な水魔法を教わって水をちょろっと動かせるようになったぐらいで母さんみたいに水差しいっぱいの水は動かせないがそれでも嬉しかったものだ。

 嬉しすぎてはしゃぎすぎた気がしなくもないがまあ些細なことである。母さんから生暖かい目で見られていたような気がするが魔法を使えたことに比べたら問題ない。問題ないということにしよう。うん。

 他にも風と土の魔法を教わった。これも動かすことができた。火魔法は危ないから教えてもらえなかった。当たり前だが残念だ。魔法の練習は始めは魔力を動かすことから始めるようだ。


 魔法を使うには、体内の魔力を外に放出してイメージして使用することができる。呪文を唱えることでイメージの補強することで魔力の消費が少なくしたり威力を上げたりすることができるみたいだ。凡田にある魔力を感知することまでは簡単にできたが、魔力の放出が難しくちょろちょろとしか動かせない。

 母さんが言うには魔力を動かしていればそのうちたくさん動かせるようになるとのことだ。とりあえず魔力を水に触れさせて浮くようにイメージすると浮いた。もしくは魔力が水になるようにイメージすると水になった。

 といっても少ししか魔力がでないため魔力を体の中で動かす練習をする。毎日魔力を動かしていたおかげか今では少しつっかえるときもあるが体中を回らせることもできるし魔力放出もスムーズにできるようになった。

 また、魔力を増やすにはどうすればいいか聞いたら「よく食べてよく寝て元気に過ごしていれば増えていくわ。」とのことだ。一応魔力を限界まで使えば増えないか何回か試してみたところ気持ち悪くなり、しだいに意識が朦朧として気絶しそうになっただけで魔力が増えた実感がないためわからない。

 でも水魔法を使い続けていれば少ない魔力で多くの水を生み出せたり操作できるみたいだから気絶しない範囲で水、風、土の魔法を使い続けようと思う。


 魔道具という魔石を使った魔力を流すかスイッチを押して魔法が使えるようになる道具がある。母さんに聞いてみたが魔石を使っているしかわからなかったので詳しいことは本で学ぼうと思う。


 後食事が美味しい。そんなことかと思うかもしれないが品種改良が進んでいた前世と同じかそれ以上に美味しいのだ。魔法を使って品種改良をしているのか気になる。


 これからは火魔法を使っていいし母さんが魔法について本格的に教えてくれる。楽しみだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る