エトによるエンド考察タイム6

 まだ雨が降り続けている。

 一向に止む気配のない、外からの雨音が響き続ける図書室。


 その中央には、一人の少女がつまらなそうに息を吐いた。

 直後、こちらに気付いた様子で微笑みを浮かべて小さく手を振ってみせた。


「こんちわ。エトだよ。

 久しぶりだね皆。

 本当はもっと会えるはずだったんだけど――

 あんまり細々とした終わりで顔を突き合わせてばかりだと、ちょっとどうかなぁと思ったんだよね。


 いや、今回の終わりが細々としてないかっていうと微妙かもだけど。


 さて、今回の終わりだけど。

 今回あんな結末を迎えてしまったのは、憂が自分を信じ切れなかった事で、力を出し切れなかったから、だね。


 憂は元々自信満々ってタイプじゃないからね。

 大きな何かを為し遂げるには、圧倒的な感情の勢いや自分以上に信じられるものの後押しがないと、最後の一手が届かなくなる傾向があるかな。


 自分を信じられないものが他人を信じられるはずがない――よくフィクションで聞く言葉だけど……

 憂は自分より他人の方を信じちゃう方だからね。 

 勿論誰でもじゃないよ?


 そういう意味では今回は切那を信じ切れなかった――

 というより、切那が信じている『伏世憂』を信じ切れなかった、という事になるかな。

 ある意味ブレてないのは憂らしいのかな。


 切那がああまで言ったんだから、ちゃんと信じてあげればいいのにね。



 皆も、不安になる事や時があるだろうし、難しい時もあると思うけど、自分の事をちゃんと信じてあげてね。

 自分を信じないと乗り切れない時ってあると思うし、何より――悲しいから。


 じゃあ、今回はこれにて。


 切那の裏側の出来事は、まだもうちょっと続くんで――多分、あと少ししたらまた会えると思うよ。


 次は、今までよりちょっと悲しくなるかもね――。


 その時はまぁ――――私の事でも見て元気になってね。


 かわいいかわいいエトちゃんでした」

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