モールス信号に託した思い

蓮見藍菜

第1話 #0

「そういえば……」


誰かと話したいと思っても、聞きに回りがちで

それで、メンタルをやってしまったことが多かったのです


「チャット枠・ミュート枠をやってもいいけれど……人が多いと捌けないですし。そもそも人なんて来ないですけどね」


声出しはどうしてもしたくありませんでした

だから、声の出ない『チャット枠』や『ミュート枠』に頼りました

「配信しても……意味ないんですよね」


書くことも少なくなり

やる気が失せました

だんだん楽しくなくなりました

所詮、玩具にされちゃうのですから


いつものように、動画を見漁っていたら


「最近の流行りは『手話』ですね」


手話は昔、聴覚障害の子と話するのに、習っていた時期がありました

でも、『動画投稿』をする配信ではなく、『音声投稿』をする配信サービスを使っていたのですから、これは使えないと考えました


知り合いの動画を見ていた時に

「モールス信号の動画が上がってる」


その動画では『壁に光を当ててモールス信号を送る』というものでした


「(モールス信号って、あの映画みたいに音を使ってやるものでは……?)」


『モールス信号』で検索をかけました


「モールス信号のアプリがある」


実際に配信で使えなくても、録音が撮れれば、それでいいと思いました


「これで再生したら……」


ピーピーッピーピー


「ちゃんとモールス信号だ……」


これが、モールス信号CASTの始まりでした

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